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【感想・あらすじ・レビュー】片目の青:陣崎草子

 

 

 片目の青:陣崎草子著のレビューです。

片目の青

片目の青

  • 作者:陣崎 草子
  • 発売日: 2014/09/26
  • メディア: 単行本
 

 

「青」ってなんだか格好いい

 

動物に助けられる人間のニュースなどを、たまに見かけてはウルウルしてしまうわけだが、もし、動物と会話ができたら、どんな気持ちで人間を助けたのか訊ねてみたい。

 

家族みたいな関係だから助けたのか?
それって本能からなのか?
実際のところどうなんでしょうねぇ。

 

本書は中学生の少年が、山に住んでいると言われる野犬に助けられたという話。真矢は飼い犬のフリ蔵と一緒に、近所の山へ散歩に行くが、沢から落ちて大けがをしてしまう。このままだと危険な状態だという時に現れたのが野犬達。

 

彼らが大声で吠えてくれたことによって、猟友会のメンバーたちが気づき、現場に駆けつけたという流れで真矢は助かった。

 

 

 

 

真矢は、意識が薄い中「青」の姿を見る。小さく、痩せて、薄汚れた犬。片方しかない目は狼のように鋭く、誇り高さをにじませている。

 

その後、「青」の様子が気になる真矢。保健所が野犬の捕獲を聞きつけ、友だちとなんとか阻止しようと策を練るのだが・・・・。

 

この話は寡黙な(当然だけど)青の存在と、その青の気配をいつも感じながら、大人になってゆく少年の姿がなんとも新鮮に描かれている。

 

「なんで殺さなきゃならないのか?」

 

子供にとっての最大の疑問。
ペットを飼うことへの責任。
放置された野犬達の行方。

 

大人も子供もこれらの疑問を今一度振り返るのによい作品。
そして、動物と人間との関わりの素晴らしさも!

 

「青」の生い立ちや、後半起きた出来事の真相ははっきりしなかったが、「青」は格好いい。姿を現すシーンにゾクッと来るクールなものを感じたのは私だけだろうか?

 

片目の青

片目の青

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