獣の奏者1闘蛇編 :上橋菜穂子ちょのレビューです。
◆ページをめくる速度が速い、速い!
冒頭に主な登場人物がズラ~リ。
次ページには「真王」の系図。
嗚呼、ダメかも、このパターン…。
そう、系図や登場人物が多いものは、私の苦手なパターン。
けど、ここはコーヒーショップ。読むものはこれしかないし…
と、諦めモードでページめくりスタート!
そしたら、あなた!なんとあっと言う間に半分くらい
読んでしまったではないか。
本書は序章から第四章までなのですが、もう最初からものすごい
勢いで物語が展開してゆきます。
その疾走感はここ最近味わったことがない。
闘蛇村で母と暮らすエリン。闘蛇を死なせてしまった罪に
問われた母はやがて、殺されてしまう。
母を救おうと必死に助けに向かうエリンも危うく命を落としそう
になるが、母の「指笛」によって、死を逃れる。
…と、冒頭から、ハラハラさせられるシーンと、親子が引き裂かれる
やるせないシーンに、どうしてもページをめくらずにはいられない。
やがて、蜂飼いのジョウンに助けられ、一緒に暮らすようになる。
徐々にエリンの探究心、聡明さや芯の強さに触れ、きっと誰もがこの少女に
不思議な魅力を感じ、そして、応援したい気持ちが高まって行く時間です。
また、ジョウンの優しさと厳しさ、
そして、エリンを見守る温かいまなざし。
こちらも魅力ある人物で、惹きつけられます。
エリンの暮らしぶりと平行して、他の世界の様子も同時進行。
各章、ものすごい広がりを見せながら進んでゆくので、
どの話も展開が気になってしまいます。
エリンはやがて母と同じ獣ノ医術師を目指します。
さぁ、エリンの今後は…
まだまだ、幕が開いたばかり!今後の展開を期待しつつ次回へ。
…と、いうわけで、気づけば店の冷房で身体が冷え切り、
家に帰ってさらに読みふけり、あっと言う間に読了。
なんていうか、読まずには気が済まない感じがありありで…。
でも、次巻がないので、しばらく悶々としながら暮らします(笑)
この無国籍感…ああ、ファンタジーってこういう感じだったなぁ…。
<闘蛇編のメモ>
・母の処刑及び、親子の別れのシーン。
・ジョウンとの出会い、蜂飼いの生活。
・王獣保護場での新生活