#真相をお話しします:結城真一郎著のレビューです。
☞読書ポイント
先が見えてきてもまだ油断はできぬ!
とにかく今、最も注目されている作品と言った感じですよね。前評判を聞き、わたしも読むのを楽しみにしていました。
さてさて、本作は二転三転、驚きの展開になるようなことを方々から耳にし、心して挑んだからなのか、比較的冷静に読めた気がします。「おぉ、来た来た!」「騙されんぞ!」と。なので、エキサイトしたかと言うと、個人的にはそれ程でもなかったかな。....が、正直な感想。まあ、何というか前評判に酔い、期待を膨らませ過ぎたのかもしれません。
5編の短編集です。ネタバレを避けるため多くは書けませんが、YouTubeとか、マッチングアプリとかリモート飲み会とか、「今」の日本で日常的に行われていることを題材にしているので、多くの人が夢中になるのも頷けます。
とにかく途中までは普通の話として読んでいた。.....のに、途中で「ぐにゃ」とした感覚がやって来る。当然だと思っていたことが、実は全然違っていた....ってことが判り始めるときに感じる不気味さと言ったら。「え、、あれ?どういうこと?」っていう、何とも言えない不安が襲ってくる。そうこうしているうちに、もうひと波、驚きが。こういったゾクゾクさを描くのがとても上手い作家さん。
そして、二度読み必須って聞いていましたが、はい、わたしも読み終わったらまた、最初のページに何度か戻りました(苦笑)この検証的な再読がイヤなんだなぁ。結末はスッキリ後腐れなく終わりたいのだけど、「そもそも、なんだったっけ?」ってページを戻る敗北感が個人的には苦痛でした(笑)
どの作品も内容は違えど、いわゆる「どんでん返し」があるので、1話を集中して一気に読むのがベスト。色々工夫されていてるし、今っぽい話なので面白いことは面白い。けれども、登場人物がなぜかみんな「顔なし」に感じてしまったのはなんだろう。体温が感じられなかったのは、どの話も私自身、感情移入できる場面が少しもなかったからだろうか。そういう作品だと思えばいいのか。
とにもかくにも本作の大ブレイクを機に、どんどん新作を発表されていくと思われます。期待の作家であることは間違いない。
【つなぐ本】本は本をつれて来る
この本も前評判に釣られて読んだ一冊。ちょっと肩透かしだったけど、かなり売れたらしい。20万部突破とか!