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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】怖ガラセ屋サン:澤村伊智

 

 

怖ガラセ屋サン:澤村伊智著のレビューです。

 

 

☞読書ポイント 

うしろめたいことをすると、いろんな形でしっぺ返しが来る。....と言うことを知る一冊。ホラーとは違う怖さがあなたを襲う。

 

怖がらせ屋さんは容赦ない

 

すごく怖い話を想像していたけど、いわゆるホラー系の怖さではなかったかな。ただ、なにか人として後ろめたいことをしていると、いずれしっぺ返し来る....と言った感じで、その時味わう後悔を、嫌と言うほど見せつけられた。

 

本書で一番印象的だったのは「子供の世界で」だった。

ここではいわゆる「いじめ」により自殺してしまった子供のことが書かれている。当然いじめには加害者がいるわけだが、この話、死んでしまった子に遺書はなかったので、加害者であった子供たちは、大人たちに事実を知られることなくその後生活していたのだが....。

 

 

 

転校してきたときに真っ先に仲良くしてくれた恩ある子に対して、主人公の男の子はいじめに加担する立場になった。いじめらた子は亡くなる。そして、復讐劇のゴングが鳴るかのごとくいじめた子たちに襲いかかる不気味な現象は、やがて彼らの精神をどんどん追い詰める。この追い詰められる感じがとてつもなく怖い。

 

自分のしたことの罪深さを知った時にはもう遅い。これは様々な怖い現象よりも、「誰かをいじめ苦しめると、最終的には自分に帰って来るよ!」という、筆者からの忠告のような話でもある。後ろめたさを背負って生きていく苦しさ、償っても償いきれないものがそこにあることを覚えておけよと。

 

この話「いじめ対策」としてドラマ化するといいんじゃないかな。何割かの子供は「いじめ」の現場に直面したとき、この話を思い出すんじゃないかと。たとえこれが作り話と解っていても、こんな結末が頭の中によぎったら、怖くて「いじめ」に関わりたくなくなるだろう。

 

後ろめたいことしない生き方をしようね、そしたら、怖がらせ屋さんに会うこともないんだからね。そんな声がどの話にも潜んでいる。

 

【つなぐ本】本は本をつれて来る

*澤村伊智さんの代表作と言えばコレ!

解りやすい怖さはこちらの本。とにかく怖かった。家にまつわる怖さがヒタヒタと。

 

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