東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を掲載しています。
東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を紹介します。新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで、月に1度、3本ほど紹介しています以下は、おおまかなあらすじと、中瀬親方が話していたことを簡潔にまとめたものを掲載しています。親方はどんな本を紹介してくれるでしょう。早速見て行きましょう!
【関脇】漫画:国宝:吉田修一原作 三国史明
中瀬さん:
映画化も決定されている超話題作の漫画バージョン。極道の家に生まれた15歳の少年が極道の世界を離れ、歌舞伎の世界で女形として成長する姿を描く物語。異なる背景をもつ少年ふたりの友情と競演が、舞台上で鮮烈に描かれる。ふたりが女形に変身するシーンは漫画だけど色気がすごく、ちょっと見惚れてしまうほどでした。
世襲を重んじる歌舞伎界でかなりの激震が起きる。2巻ではそれに続き、驚くべき展開も待ち受けている。まだまだ目が離せない。
原作小説の作者吉田修一さんは執筆にあたって、全国の劇場をまわったり、実際に歌舞伎の楽屋に入ったほどの渾身作で、それを三国さんが見事にコミカライズ。漫画、小説合わせて読んで6月の映画を観に行けば、一粒で三度美味しい物語になると思います。是非、堪能してください。
【大関】 小説:救われてんじゃねえよ:上村裕香
中瀬さん:
24歳の現役大学院生の上村さん衝撃のデビュー作です。難病の母を介護しながら学校に通う17歳女子高生が、「ヤングケアラー」としての現実に向き合う姿を、笑いを交えて描いた作品。「女による女にためのR-18文学賞」受賞作。満場一致で決まったそう。選考委員も絶賛。
家も貧しく修学旅行もいけずの彼女。これだけ聞くと若いのに苦労してーって思うけど、本作の魅力はそこではなく、例えば、トイレに行きたくても自分で起き上がれない母親。沙智がバランスを崩して一緒に倒れ込んでしまうシーンがあるんですけど、その時に幸が隠していたBLの本の山が降って来て、身動きが取れなくなる。沙智は絶望のなかにいたのに、母が「漏れる~漏れる~」と阿鼻叫喚。そこに追い打ちをかけるように1冊の本がリモコンの上にが落ちTVが付く。そしたら画面の中で小島よしおが「そんなの関係ねぇ」と叫んでて、二人で笑ってしまう。そんなシーンにこちらも笑わずにはいられなくなる。
母親の介護を辛いというのではなく、むしろ振りにして喜劇に持ち込んでくる上村さんのセンスが本当に見事。介護をすべて喜劇にして、気が付くと笑いの渦に。そんなイリュージョンが体験できる作品。読書体験でここまで打ちのめされる....という感動を約束します。ちなみに5時夢のディレクターはすごい衝撃を受けて「夜、志麻子さんが遅刻で来なくなる」という夢でうなされたそう。あんな心無い人にも、それくらい衝撃を与えた小説です(笑)
いよいよ横綱👇
【横綱】 映画:サブスタンス
中瀬さん:
ホラーSF作品です。容姿の衰えで仕事が減少した50歳の元人気女優エリザベスは、再生医療「サブスタンス」を試し、若さと美貌を持ったもう一人の自分「スー」として再びスターダムを駆け上がる。
とにかくこのスーが、ヤバいくらい可愛くて、尋常じゃないスタイル。鼻血ブーの極上ボディー。
目が離せないストーリー展開が続く。後半のエリザベスとスーの大乱闘のシーンは狂気と狂気、肉体と肉体がぶつかり合う。今でも鮮明に脳裏に焼き付いている。
ちょっとでも年を重ねて来た女性なら誰しも思うと思う容姿の衰えの悩み。その執着を生み出す狂気を見事にホラー仕立てに描いた作品。もはやどんなB級ホラーもひざまずきそうなデミ・ムーアの体当たりなんてもんじゃない演技には、後半ずっと目が点になってしまう。これを観ると「もう若返んなくてもいいかも」と思うくらいショック度がある。スリル満点で、お口あんぐりの2時間半です。是非、劇場の大きなスクリーンでこの狂気の暴走を味わってください。
後記
今月は、漫画、小説、映画、すべて面白そうだなぁ~。「国宝」は原作を読んでみたいとずっと前から思っていたのですが、確か上下巻でなかなか手を出せずにいましたが、そろそろですね~。「女による女にためのR-18文学賞」の受賞作はほぼ読んでいますが、本当に良い作品が多く、その後の作品も読み続けている作家さんが多数います。上村さんもそんな作家さんだと感じました。映画は、、怖いもの見たさですねぇ。GW前に楽しい作品紹介、ありがとうございました。それではまた来月♪