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【感想・あらすじ・レビュー】住吉物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典:吉海直人編

 

 

住吉物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典:吉海直人編のレビューです。

 

☞読書ポイント 

世界的に有名なシンデレラは、継母や姉妹にいじめられる誰もが知るストーリーだが、日本の古典にも継母のいじめが激しい物語が存在する。そのひとつが「住𠮷物語」。姫君の行方がどうなるのか、こちらもドラマが待っている。

 

住吉物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)

住吉物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)

感想・あらすじ 

ひさしぶりのビギナーズクラシックスです。このシリーズはやや敷居の高い古典を、あまり気張ることなく読み始められることもあり、目についた作品を読んでいます。その最大の魅力はなんといっても分かりやすさ。大切なポイントなど丁寧に解説されているので大変勉強になります。そして今回のようにあまり読む機会のないようなマイナーな(自分の中で)作品と出会えるという。

 

ということで「住𠮷物語」です。まったくマークしていなかった作品ですが、あらすじを読んで興味を持ちました。いわばあの「シンデレラストーリー」ということです。意地悪な継母、異母姉妹、そして叶わぬ恋からの大逆転!的な展開なのですが、古典ならではの当時の習わしや世界観が詰まっていてとても楽しい。あの紫式部や清少納言、貴族なども夢中で読んだと言われるんだから、面白くないわけがない。

 

 

 

主人公の姫君はやはり美しい女性でなければならないというお約束。その美貌と存在感を妬み、継母がとんでもない恋愛の邪魔をしたりするのです。幸い異母姉妹の娘たちは意外にも普通の感覚を持っていて、いじめから逃れて都を離れた姫君のことを心配したりもする。それでも姉妹の一人は母親の企みで姫君と結婚を望んでいた男性と結婚する。

 

当時のことだから手紙のやり取りだけで恋愛が進んでしまうってのが怖いところ。書いた手紙をお付きの人に渡すってことで、本人に届けないなんてことも簡単にできてしまう。この話では姫君への手紙を母親の企みで自分の娘へ渡すという形で恋愛、そして結婚へと繋げてしまうのです。

 

でもでもそんな企みを作者は許すことなく、姫君にも頼もしい助っ人をちゃんと用意。当時は本当の母親がいなくとも、乳母の力が大きい。そして今回は母親の形見である「琴」も物語の展開に大きな役割を持つ。

 

この時代、「夢」も大きな意味を持つものになっている。源氏物語でもそうだけど、夢はなにかの「お告げ」みたいな意味を持ち、この物語でも「夢」を見たことによって姫君の所在がわかったりする。興味深いのは姫君を探している中将と姫君、双方が夢を見ていることだ。

 

 

 

さて、どんな形で物語は収束するのか。ふたりの関係だけでなく、継母や異母姉妹の行方など結末がどうなるかドキドキ、ワクワクでありました。解説では「落窪物語」との対比が結構ありました。こちらの主人公の設定もおおむね住𠮷物語の姫君と同じ環境で、継母にいじめられるというシンデレラ的ストーリーです。続けて読むのも面白いと思います。

 

とにかく読みやすくてあっという間に読み終えました。しばらく遠ざかっていましたが、またビギナーズ・クラシックスに火が付きそうな予感です(笑)

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kadobun.jp