不村家奇譚:彩籐アザミ著のレビューです。
☞読書ポイント
ずっと不気味、ずっと閉塞感が....
ある一族の歴史を昔から現在へと綴っていく小説であるのだけれども、前半は話を頭の中でまとめることと、時代によって少しずつ変わりゆく登場人物と人間関係をつなげていく作業が自分には結構ハードだったかなと。しかも、細切れに読書していたため、話の流れを自ら切ってしまったようで、いまいち乗り切れない。...ということで、なかなか自分の中で消化できずに前半が終了。
東北地方にある一族の名は「不村家」。1898年から始まる。しょっぱなから読者を引き付けるのは、この一族の奉公人はすべて異形の者であるということ。そして、よく分からない存在の「あわこさま」。このあわこさまは、一部の人間にしか見えないのだけれども、ずっとこの家に存在している。不穏な雰囲気はすぐに始まる。膝から下がない子どもが生まれたりと、その様子は奉公人の視点で語られる。
後半は孫の代へと移っていき、そこで生まれた双子の話など、奇妙な話が積み重なっていく。そして、あわこさまの実態や、不村家に起こる怪異が徐々に紐解かれていき、ラストへ向かう。というか、ラストはちょと別のティストが加わった感が。すごい盛り込み方だなぁ。
結局、最後は全体像が仕上がる感じで内容を理解するに至ったが、作者が工夫してきたであろう部分を自分は読み込めていないのではないかと感じました。もったいない(笑)時間があれば全てを知った上で読むのもありかなって思いました。
ホラー?ミステリー?いろんな要素が含まれる何とも言えない読み心地がした一冊であった。「あわこさま、こえーよ」と、つぶやきながら読了。
ということで、書けない部分が多くなんだかぼんやりした感想になってしまいました。
ちなみにAmazonにはこんな広告がありましたので、ご参考に(笑)
ゾクゾクしますよねぇ。
【つなぐ本】本は本をつれて来る
この一族もまた理解不能なことをしている。こんなところに嫁いでしまったら....。個人的には超不気味に思えた作品。面白いです!