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【感想・あらすじ・レビュー】湖の女たち:吉田修一 2023年映画化決定!

 

 

湖の女たち:吉田修一著のレビューです。

 

 

湖の女たち

湖の女たち

 

 

感想・あらすじ なかなか結末が読めず焦る焦る。そして最後に見たシーンは!?

(ネタバレ なし)

吉田さんの作品、とても久しぶりというのと、ラジオでの前評判から、ものすごく楽しみにしていた「湖の女たち」。一気読みになるだろうなぁと覚悟を決めて突入です。

 

ミステリーなんですが、話は特別複雑なものではありません。事件は琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。この老人が誰によって殺されたのか。犯人は介護施設の関係者なのか?刑事が捜査していく中で、それぞれの人間関係が見えてくるわけだが、加えて刑事と施設で働く女がなんとも歪んだ男と女の関係になる。

 

これがねぇ、確かにSM・主従・倒錯的というか、かなり逸脱した関係で、何故この話にこの関係を描くことにしたのか?吉田さんに訊ねてみたいところ。なかなか解かりにくい関係なんだけど、世の中にはこういうことを好む人が少数派だけれど一定数いる。

 

そして吉田さん、こういった人々の心理描写が上手すぎる。ラジオでも話されていましたが、「吉田さん、変態?」って言うのもちょっと頷ける(笑)ということで、こういった系がキライな人には嫌悪感しかないかもと思いました。

 

 

 

話は犯人探しと男女の話、そして、事件の真相を取材している記者が、亡くなった老人の過去を追っていくという、大まかに3つの話が進んでいく。

 

なかなか着地点が見えにくく、残ページが少なくなっていくということに私自身の焦りが出て来る。本当に結末があるのか?と。そして辿り着いたラストは結構な変化球。「うぉーー、、、やぁ、、、不気味、、、。へぇー、ほー、」と。

 

暗い話でした。ずーっと闇の中にいるような。それと湖効果なのかな。なんかすべてのことが霧に包まれているような。自然の描写もとても美しかったです。このダーク感はちょっと松本清張を感じないでもない。読み終わったあとも、ぞわぞわ、モヤモヤした気持ちが抜けず、かなり小説に引きずられている自分が居ました。

 

最後に、多分映画化されますよね?演じる俳優さんはかなりハードな演技が要求されるだろうなぁ。でもってキャストを色々考えてしまった。このドSな刑事は仲村トオルかな~?いや、もう少し庶民的な感じかな。大阪府知事な感じ?(笑)相手の女性は....。この作品内では「佳代」って名前だったんだけど、それに影響受けちゃったのかな。大久保佳代子さんあたり、相手役の女性のイメージなんだよね。なーんて、配役しちゃったけど、果たしてどんな方が登場するか。楽しみに待つとしましょう。

 

 

 

 

吉田修一について

1968年9月14日、長崎県生まれ。法政大学経営学部卒。

1997年「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞。同作が第117回芥川賞候補となる。2002年『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を立て続けに受賞し、文壇の話題をさらう。2007年『悪人』で大佛次郎賞と毎日出版文化賞を受賞した。他に『東京湾景』『長崎乱楽坂』『静かな爆弾』『元職員』『横道世之介』など著書多数。

 

映画化決定!

予想通り、映画化が決定しました。2023年11月に公開!で、気になるキャストですが、福士蒼汰松本まりかがW主演なんですって。そうか~、自分の予想とはだいぶ違うけどね。というか、、、美しすぎるおふたり。まぁ、映画ですからね。観るほうはビュジュアル的にもこれが正解か(笑)とにかく、これは見逃せんね。