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【感想・あらすじ・レビュー】ルポ超高級老人ホーム:甚野博則

 

 

ルポ超高級老人ホーム:甚野博則著のレビューです。

☞読書ポイント 

新聞チラシに大量に入ってくる老人ホームの案内。一体、こんな費用の高いところ、どんな人が入居するのだろう?って思うわけだが、お金持ちは本当にたくさんいるもので高級老人ホームはちゃんと成り立っている。ではその実態は?優雅な生活を想像するが、意外にも現実の厳しさを目の当たりするのが本書。ある意味怖い。

 

ルポ 超高級老人ホーム

ルポ 超高級老人ホーム

感想・あらすじ 

高齢化社会に突入し、何かと話題に上る老人ホーム関連のニュースを耳にするにつけ、どんよりした気持ちになることが多くなった。老人ホームの入居金、そして月々の料金の高さも本当に驚くばかり。老人ホームはもはや富裕層でなければ入れないものなのだろうか?なんてことを考える。

 

ということで、高級老人ホームについて書かれている本を読んでみることに。本書は高級の上、「超」がつく高級老人ホームについて書かれている。自分とは縁がないホームだけど、一般のホームとの違いを興味本位で覗いてみることに。

 

 

 

とにかくどこのホームも色々でした。果たしてここを終の棲家として過ごすのに幸せなのか?と思うようなところも結構あったりして、お金を出せばいいってもんじゃないってことがうっすら感じられました。

 

本作で一番怖かった?のは熱海の分譲型シニアマンションの話。ここの話は、サービス云々の話というより、とにかく人間関係の怖さみたいなものをまざまざと見たような気がします。シニアマンションなので、普通のマンションと同じ、管理組合があれこれを決定していくわけだけど、ここはその理事会の役員の管理が本当にすごい。もちろんマンションを維持する上で予算などしっかり見ながら管理する頼もしい存在でもあるのだけれども、意識が高いだけにとても窮屈そうなのです。

 

役員になった人々はかつては会社勤めでいいポジションだった人とか、海外で生活していた人などのエリート。これまで豊かな生活をしてきた人々が多い。そんなちょっと鼻につく人々のマウンティングとか、自慢話などがもうねぇ....。

 

印象的だった話は2拠点生活をしている入居者。コロナの時に東京などから熱海に避難的に戻ろうとしたら、待ったがかかる。要はコロナを持ち込まれると困るということで帰れなかったとか。自分の家なのに理事会に入館を規制されたのだ。スゴイ権力です。この話を読んで、なんだかぞわぞわした恐ろしさを感じました。

 

その他、総会に向けて、パワーポイントのプレゼンの訓練を7回やったとか、食堂の席替えを拒否したとか枚挙にいとまがない。

 

 

 

他にも、悪徳施設に潜入取材など、著者は結構ギリギリのラインで取材をしている。取材後に原稿を確認し、自分たちに都合のいいように書き換えを要求する施設もあったそうだ。こうした状況をみると、パンフレットってあてにならなさそうだな....と思いました。かと言って、何を信じたらいいのやら....って感じですね。

わたしの叔母が老人ホームに入居してかれこれ1年が経過する。はじめは親戚一同心配していましたが、本人はいたって快適に生活している。高級老人ホームではないけど、人間関係も良好でホッとしている。一番参考になるのはこういった近しい人の生の声なのかな~とも思う。この先、ホーム入居経験者である叔母から、色々話を聞いてみたいと改めて思いました。

 

ということで、なんだかすごい実態を知った感じが今もしています。もちろん、全部を鵜呑みにするわけではないですが、色々闇深い部分もあるってことは心しておきたいと思いました。

甚野博則プロフィール

1973年生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーや出版社などを経て2006年から『週刊文春』記者に。2017年の「『甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した』実名告発」などの記事で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」のスクープ賞を2度受賞。現在はフリーランスのノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌などで社会ニュースやルポルタージュなどの記事を執筆。近著に『実録ルポ 介護の裏』(文藝春秋)、『ルポ 超高級老人ホーム』(ダイヤモンド社)がある。(文春オンラインより)

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