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【感想・あらすじ・レビュー】天国映画館:清水晴木

 

 

天国映画館:清水晴木著のレビューです。

☞読書ポイント 

もし、死んだあと初めて行く場所に自分の人生を上映する映画館があったら....。自分の人生のピークはいつだったのか?天国映画館は次の場所へ移る前の止まり木のような安らかなところ。ここにやって来た人はどのような日々を過ごすのか。観客になった気分で様々な人々のこれまでの人生を観よう。

 

天国映画館

天国映画館

感想・あらすじ 

本作は天国にある映画館について描いた作品。ん、天国で....?となるといろんな想像を巡らせてしまうわけだが、一体、どんな映画が上映され、誰が観に来るのか。これがなかなか面白い設定で、本書自体がひとつの映画作品のような仕上がりになっているのです。

 

ここは亡くなった人々がやってくる天国。天国って言っても私たちが今生きているところと同じくらい広いということで、映画館のある天国もみんながみんな来られるといったわけではない。

 

とにもかくにもこの天国は一時滞在の場所。また次の場所へ行くまでの通過点になっているようだ。長い時間ここで過ごす者もいれば、すぐに旅立つ者もいる。その違いはなんだろう?

 

 

ここに来た人々は自分の人生の映画を観ることになる。上映が終わると次の世界へ行くのだけれども、いつ上映されるのかは映画館の支配人にも分からない。フィルムが届くと上映日が決まり、お客さんを集め、そしてその人の人生を辿った映画が上映されるのだ。

 

スクリーンにはひとりひとり様々な人生の名シーンが走馬灯のように映し出される。

主人公である男性は映画館の手伝いをしながら、彼らと交流を持つことになる。彼はここにやって来た時、前世の記憶が薄れてしまっている。一体自分がどんな風に生きていたのか、自分のフィルムを観るまでわからない状態で日々過ごしている。

 

そんな彼にもフィルムが届くことになる。そこには意外な展開が待ってる。そしてエピローグに繋がっていくのだけど、この最終話も、なんとも素敵な演出が用意されていて、思わず「ニクイネェ」と言いたくなってしまった。

 

 

 

最後の最後まで読ませてくれる内容でした。人々の人生には何度か泣かさもしました。特に親の介護での後悔があった女性の話は泣ける。また、男の子の話も泣ける。そんな人々にとって、この天国は絶対必要な場所だったのだなぁ~と感じます。もし本当に「天国」って場所があるとするならば、こういうところであって欲しいとも。現世で大変だった人々の休息の場、痛みも苦しみもない世界は本当に天国です。とは言え、ここは死んだ人々の世界だということも。そして、ここも永遠ではない。

 

読みながらどこかふわふわとした浮遊感もあった。そういう意味でも作者の描き方が上手だったのだなぁと感じます。著者の清水さん、かなり「ニューシネマパラダイス」が好きなのだなぁと感じるシーンが随所に出てくる。この作品、観てない人は必ず観たくなるはずです(笑)そして、自分の人生の名シーンっていつだろう?と、しみじみと振り返ってしまうのでした。

天国映画館

天国映画館

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清水晴木プロフィール

千葉県出身。2011年、函館イルミナシオン映画祭第15回シナリオ大賞で最終候補作に残る。15年、『海の見える花屋フルールの事件記 ~秋山瑠璃は恋をしない~』でデビュー。著作多数。21年、『さよならの向う側』が話題になり、連続ドラマ化も決定した。近著は『さよならの向う側‐I love you‐』。故郷である千葉への想いが強く、作品舞台にも色濃く反映されている。今、もっとも注目を集める若手作家のひとり。(Amazonより)

王様のブランチ出演!清水さんのインタビュー

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