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うずまきぐ~るぐる 

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【レビュー】ハグとナガラ:原田マハ

 

 ハグとナガラ:原田マハ著のレビューです。

ハグとナガラ (文春文庫 は 40-5)

ハグとナガラ (文春文庫 は 40-5)

  • 作者:原田 マハ
  • 発売日: 2020/10/07
  • メディア: 文庫
 

 

 合言葉は「旅に出よう、人生をもっと足掻こう」

 

女同士で旅に出る。学生時代ならこんなことも簡単に出来る状況であったけど、就職して、結婚やら出産、子育て、または、仕事で昇進したり転勤したり。女性は男性と比べライフイベントの変化が激しいゆえに、女友だちとの距離感もその都度変化する。だから、女同士の旅って大人になると結構ハードルが高く、なかなか決行しづらい。

 

本書に登場する女性はどちらも独身。一見、それなら女子旅も出来そうな感じだけれども、仕事の状況や恋愛などで、スケジュールを合わせるとなると....って問題で、なかなか決行されずなんてことが多い。そんな彼女たちが一緒に旅に出る。きっかけは、恋も仕事も失ったハグに、大学時代の親友ナガラが「一緒に旅に出よう」とメールを送ったことから。

 

彼女たちはそれからちょくちょくと一緒に旅をする。40代、やがて50代へ。その間、仕事や親の介護など、その年代に起こる悩みを抱えつつ、いい感じの距離感で付き合う彼女たち。その旅で起こる出来事を交えながら、旅を背景に人生の移ろいを静かに描く。

 

 

  

 

やぁ、何というか、目頭が熱くなること数回。思い描いていた通りには行かなかった現状を受け入れつつ、今あることに精一杯やっている彼女たちの姿がとても自然で好感が持てる。また、親の存在などについて身につまされる思いで読みました。

 

原田さんの作品はアート小説とこうした普通の小説とがあるんだけど、後者はたまにぶっ飛んでいたり、軽かったりして「むむむ?」と感じることがあった。けど、今回は至って自然、等身大の女性たちの姿が無理なく描かれていて良かったなぁと思う。

 

「つかず離れず」って言葉があるけど、ハグとナガラの関係はまさにそう。Lineなどを使わず敢えてメールでのやり取りにしている彼女たちのささやかな気持ちもすごく解る。頻繁に連絡ってわけではなく、本当に相手が大変な時にサッと気持ちを差し出せる人。自分もこうでありたいなぁと感じました。

 

女同士を描いた小説はあまたあるけど、「ハグとナガラ」はかなりおすすめです。特に同年代の女性たちにです。

 

今回レビューでは「女同士」の部分ばかり書いてしまいましたが、もちろん旅情を味わえる内容でもあります。フットワークも軽く、そしてハグとナガラの関西弁のトークも軽快で楽しいものがあります。小説内での会話なのに、なぜか自分に語りかけられてるような、励まされているような、そんな気分にもさせられたなぁ。

 

現状、コロナで旅行どころではないですが、本を読んでちょっとした旅気分を味わうのも良いものでした。泣き笑いしながら読了。いつかまた「ハグとナガラ」のその後が読めたらいいなぁ。