ばけばけ:那須正幹著のレビューです。
なんにでも化けてくれるタヌキ?
3人の爺さんたちの滑稽でちょっと哀愁ある話は、現代社会の問題を絡めながらも昔ばなしのようなドロロンっとした煙の中に居るような不思議さを纏う。
3人の独居老人は日がな公園にやって来る。そこにタヌキもやってくる。老人たちはこのタヌキの餌付けを楽しみにしているわけだが、ある日、このタヌキがまさかの変身をするのです。
自由自在に化けられるタヌキ。老人のひとり大造はタヌキに亡き妻に変身してもらい一緒に暮らすようになる。生きていた頃には出来なかった感謝の思い、そして二人で過ごす再びの時間に幸せを感じる日々。
しかし、妻はタヌキ。娘が父親の家に様子を見に来ると、部屋は綺麗だけど臭いが・・・。庭先にしたタヌキ(妻)の糞などが現実を物語る。
老人話ということでオレオレ詐欺的な物騒な事件も勃発し、タヌキの力を借りながら日々は過ぎていくわけだけど、私的にはタヌキの妻がどのような結末を迎えるのかが気になっていた。
ラストはちょっと切ないなぁ。
タイトルからもっと怖い感じに発展するのかな~と思っていましたが、期待するほどのものはありませんでした。ただひたすら、タヌキの様子に注目していた気がします。
マリリンモンローに変身してもらおうとするあたりが面白い。
自分だったらタヌキに何に化けてもらいたいだろうか?毎日日替わりでいろんな人に化けてもらうようお願いしてしまうかも~(笑)