海月書林の古本案内:市川 慎子著のレビューです。
長く愛される本や雑誌は確固たる個性があるなーと感じさせられます
海月書林自体は以前から知っていたのですが、まさか、そこの店主さんが本を書いているとは思ってもみなかっただけに嬉しい発見です。
「海月書林」はインターネットの古書店。独特なセレクトによって新しい古本の楽しみと「オンナコドモ」の古本を提案している。
ホームページを見ると分かると思うのですが、そんなにたくさんの種類を置いているわけではないけど店主のこだわりはたっぷり感じられる。そして「SOLD OUT」の本の方がむしろ多いのは、それだけコレクターが多いことを感じさせられます。
この本で取り上げられている本もまさに同じコンセプトでセレクトされた本が並ぶ。
絵本「こどものともシリーズ」、一か月に1冊ずつ発行された「ぎんのすず」そして、今でも大変人気のある「暮らしの手帖」サンリオの昔は「山梨シルクセンター」という名前だったなんて話題をはさみながら次々と紹介。
なかでも「主婦之友」の花嫁講座の本は全部欲しい(笑)各号「お客料理」「家庭園芸」「毛糸編とレース編」など、テーマ別になっている。
この装丁がめちゃくちゃ可愛い。当時の女性たちがこぞって揃えたというのには大きくうなずけました。(この夏、角川の和柄本を集めた自分を思い出します)
誰にとっても絶対手放せない本があると思うのですが、ちょっと前の昭和本はそういう本が今よりずっと多いのではないかと感じさせられる。
最近の雑誌で、ここまで愛着の持てそうなものはあるかな~と考えると個人的にはないなぁ…。雑誌など創刊されてはすぐ消えて行くことが多くなってしまったのがその一因でもあるのかな…。
長く愛される本や雑誌は確固たる個性が表れそのものだけが持つ雰囲気が出て来るから不思議である。
さてさて、本書は紹介だけにとどまらず、本の構造や、デザインの楽しみ方、奥付けや今ではあまり見ない検印紙までも紹介されている。検印紙のデザインも大変凝っているものが多く見ごたえがある。
薄い本なんですが、美味しいものをちょこっと食べた時の満足感に似た感覚が残った。もうちょっと食べたいけど、かなり満足だぁーって1冊でした。





