のっけから失礼します:三浦しをん著のレビューです。
隅々まで面白空気が充満しています!
30歳前後(アラサー)の未婚・既婚女性がターゲット。通勤ファッション、メイク、芸能ニュースに関する記事が中心。
ということで、美容院で私もチラッと見ているのですが、ファションメインのキラキラ女子系の雰囲気です。この路線にしをんさんが?失礼ながらその意外性に驚きました。(しをんさんも気にされている模様)
本書はその掲載エッセイの5年分をまとめたものだそうですから、きっと好評なのでしょう。なにはともあれ、しをんさんの日常エッセイが大好きな私にとって、嬉しい1冊であることは確かです。
タイトルは「のっけから失礼します」。一章「ニワトリはこっけ」。二章「取られるのはあっけ」。三章「幸いなるはもっけ」。四章「おいしいものはほっけ」━とまぁ、章ごとのタイトルも大いにふざけています(笑)
しをんさんの日常はささやかであるけれども、なにかひと波乱を起こりそうなムードが面白い。個人的には「うちのぼうや」というエッセイが好き!「ぼうや!あたしのぼうや、どこにいるのー!」と探し回るしをんさん。ぼうやに対する愛情と後ろめたさのせめぎ合いになるこの話。.....ぼうや。ってしをんさん、お子さんいないじゃん?と思われた方もいるでしょう。さて、このぼうや、一体何者か?是非、読んでみてください。
しをんさんのエッセイと言えば、ご家族の話もめちゃくちゃ楽しいです。家族旅行の話が出てくるのですが、みんなマイペース。家族みんな似てるといえば似てるのですな。とにかく、三浦家の醸し出す雰囲気、会話、どれも笑えます。
ということで、あとがき、巻末のおまけ書下ろしまで全てが面白い。お行儀悪いけど「お皿まで嘗め尽くした」というくらい隅々まで読み尽した感があります。おかわりしたいところだけれども、次回までおあずけですね。5年後なのかな?辛い・・・・。