しんがりで寝ています:三浦しをん著のレビューです。
☞読書ポイント
感想・あらすじ
ふふふ。今回も安定の面白さを堪能いたしました。私の中で「爆笑エッセイツートップ作家」として勝手に認定している作家のひとり、三浦しをんさん。もう一人は朝井リョウさん。このお二人のエッセイ本は、声出して笑ってしまうので、公共の場所では読まないようにしています。超危険です。(ということを、毎度警告として出していますw)
「しんがりで寝ています」は「好きになってしまいました」の続きということで、雑誌「BAILA」での連載に書き下ろしを加えた全55編。2019年6月号から約4年分ですから、ちょうどコロナ禍にあたっています。
基本的にしをんさんはインドアな方なので、コロナ前も後もそれほど大きく生活が変わることもなく、相変わらず自宅周りや家族の話が多く大変親しみやすい。今回熱量が高かったのは、ぬいぐるみの話です。中年女性なのに?と思われると思いますが、自分もぬいぐるみ愛が高めなので、しをんさんが「きゃわわわー!!!」とはしゃいでしまうのも理解できしてしまう。というか、爆笑しちゃうわけで(笑)
しをんさん、なんとピカチュウにハマってしまったんですね。結構なお値段のピカチュウをお迎えし、同衾するという。彼との会話が(ぬいぐるみは話す)また笑える。そして、ぬいぐるみ目線で書かれたしをんさんのことも笑える。
他にはお父様のとの会話が秀逸で、まるでお笑いコンビのよう。そして前回同様、虫との闘いも。今回はハチ。自宅玄関に巣を作られ大騒ぎ!あと、育てている植物についてもこれまたひと騒動。そんな中、ちょこちょこ登場するのがEXILE一族の話。引き続き、熱量がスゴイ。
とにかくしをんさん、締め切り日に間に合わないっていう切羽詰まった状況が多いみたいですねぇ。編集者さんの気持ちを分かってはいるみたいですけどね。ケラケラ笑って読んでいましたが、仕事関係は本当に大変そうだなぁと感じました。
いつもしをんさんの新刊はチェックしているのですが、発売予定にあがるんだけど、どんどん発売日が先に延びていたことを思い出す。最終的に「墨のゆらめき」が発売されたわけだけど、もしかしたら、相当書けなかったのかしらん?なんて思ったりもしました。
今回もなにげない日常の話なのに、なんでこんなに笑っちゃうんだろう....なんて考えながら読んでいたんですが、面白さのひとつに、合いの手のように入るしをんさんの一人ツッコミかなって思いました。特に、文末に出て来る( )の部分が笑いに拍車をかけている。是非、チェックしてみてください。
ところで、しをんさん、コロナワクチンで四十肩が楽になったって話ですが、これ、私もそうだったなぁと。まぁ、気のせい、タイミング的なものと片付けてしまわれがちですが、結構こういう人いるのかも?なんて思いました。
そんなこんなで、インドア内容が多めですが、巻末の「おまけ書下ろしエッセイ」では一気に外へ飛び出した感の強い話が登場!横になりながらダラダラ読んでいましたが、いきなりハードルが上がった気がして、思わず飛び起きました(笑)やるな、おぬし。
三浦しをんプロフィール
1976年、東京生まれ。2000年、『格闘する者に○』でデビュー。以後、『月魚』『秘密の花園』『私が語りはじめた彼は』『むかしのはなし』など、小 説を次々に発表。2006年、『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。他に、小説に『風が強く吹いている』『仏果を得ず』『光』『神去なあなあ日常』な ど、エッセイに『あやつられ文楽鑑賞』『悶絶スパイラル』『ビロウな話で恐縮です日記』などがある。(「BOOK著者紹介情報」より)
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