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【書評・感想・レビュー】好きになってしまいました。:三浦しをん

 

 

好きになってしまいました。:三浦しをん著のレビューです。

☞読書ポイント 

読むとなぜか読者も巻き込まれる感があるエッセイ。今回は、しをんさんと生きものたちのバトルが見ものです!虫や鳥たちに翻弄させられるしをんさんの奮闘ぶりに注目。

 

好きになってしまいました。

好きになってしまいました。

 

感想

決して電車の中では読んではいけないエッセイのツートップ(※個人の感想です)と言えば、三浦しをん氏と、朝井リョウ氏。両氏のエッセイを読んだ方はご存じかと思いますが、公共の場で読むとえらいことに。笑いを抑えきれず吹き出す....という失態。私はすでに経験済みです。

 

ということで、安全な場所を確保してページを開く。あ~キマシタ、キマシタ、この感じ。ちょっとおちゃらけた文章に触れた瞬間から、今回はどんなことで愉しませてくれるんだろうか?とワクワクが止まりません。「笑う準備はできているぜ!」と、親指を立て、いざ!

 

どんなエッセイかと言うと、しをんさんの日常を綴ったものなのですが、いつも何かに向かって戦いに挑んでたり、ちょっとズボラな自分にツッコミを入れたり、推しに夢中になったり、そして合いの手のようにおもろい三浦家に人々のエピソードが挟み込まれる。こんな感じが定番となっている。

 

今回、特に際立っていたのは、しをんさんの家にやって来るさまざまな生き物との戦い。蟻をはじめ、なめくじやハト、ムクドリ、トカゲなんかもいたな~。とにかく、しをんさん宅には様々な生きものたちがやって来る。

 

そんな生きものに過剰反応し、やっつけるために奔走するしをんさん。殺虫剤などで家の周りを固め、観察する。その生きものとのやり取りがもうほんと戦闘モード全開で面白い。というか、これに関しては自分も経験があるのでその苦労も解る。刻一刻と迫りくる虫たちをどうにかしようと躍起になってしまうんですよねぇ。

 

 

 

 

しをんさんのエッセイは基本的になにかについて批判的になったり、愚痴ったりっていうのものはない。自虐ネタはかなりの頻度で出てきますが(笑)だから笑いの世界を存分に愉しむことができる。ページを開けば笑いがもらえる安定感ったら!でもふざけているようで、実はちゃんと考察していたり、人情味が見え隠れしたりと、しをんさんの世界は奥深い。

 

そんなしをんさんだが、家族に対しては容赦ないな発言も(笑)というか、家族エピソードは毎度毎度楽しすぎる!いい大人の姉弟が、雪の日に巨大雪だるまを作ってワーワー騒いでいるってのもかなりシュールで楽しい。また、たまに登場するお父さんやお母さんの話も、ほのぼのしているようで家族ならではのトークに潜む辛辣さが炸裂していて笑えます。

 

しをんさんと言えば、漫画をはじめたくさんの本に埋もれて生活しているインドアな人って印象があるけど、本書には「旅」の話もたくさん出て来る。仕事を兼ねている旅から個人旅行まであちこち出かけているので、結構アクティブな人でもあったのです。しかも、行った先々で地元の人々との交流も盛んにしている模様。静と動の区別がはっきりしている方なんですよねぇ。飛行機が苦手ということで、移動は大変そうだけど(笑)

 

ちらほらと読んだことがあるエッセイもあった。それもこれも各方面で書かれたエッセイ約10年分くらいを集めたもののようです。溜め込みましたねー。いつの時代も変わらないのは、しをんさんの「笑い」。このおちゃらけた感じのエッセイ(たまにジンとくる話もある)は、いくら読んでも飽きることはない。本を閉じるころには、次作エッセイが気になって仕方がない。早く読みたい、早くしてくれ!倍速モードでの出版を希望しますっ!

三浦しをんプロフィール

1976年、東京生まれ。2000年、『格闘する者に○』でデビュー。以後、『月魚』『秘密の花園』『私が語りはじめた彼は』『むかしのはなし』など、小 説を次々に発表。2006年、『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。他に、小説に『風が強く吹いている』『仏果を得ず』『光』『神去なあなあ日常』な ど、エッセイに『あやつられ文楽鑑賞』『悶絶スパイラル』『ビロウな話で恐縮です日記』などがある。(Amazonより)

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