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【レビュー】あたしたちよくやってる:山内マリコ

あたしたちよくやってる:山内マリコ著のレビューです。

あたしたちよくやってる

あたしたちよくやってる

 

 

 

◆このタイトルを見て、とても労われたような気分になるは、全世代共通して感じるものではないでしょうか。

 

 

ショートストーリーとエッセイで構成されているので、最初はその切り替えが上手くいかず、なかなか話に没頭出来ずにいたのですが、慣れてそのリズムに乗れると、俄然ノリノリ気分で読むことが出来た。エッセイはもちろん面白いのですが、それよりやはり短編小説が面白い。願わくは、この先、身も心も短編は短編だけでその世界に没頭したいのでそのような本を希望します!

 

ということで、年齢層的には私より下の層の女性を描いたものも多く、誰もが大なり小なり通るであろうその時々の悩みや苛立ちがつぶさに取り上げられている。同世代には共感性が高い作品に、年上世代にとっては「そんなことあったよなぁ。でも、まだまだこれからいろいろな戦いはあるよ。」という若き日からの道のりを振り返るような作品でもあると思う。

 

そういう意味で上の世代がぐっとくると思われる「50歳」という話はとても共感するものがあった。ぬるい仕事だけど、若い人には精神的にキツイはずである職種。自分の時間を人のために使うにはまだ少し早いと思える仕事に就いている若者の苛立ちを見て、「50歳の私」は自分の過去と照らし合わせ考える。その若者が仕事を辞める決断をした時、快くその後ろ姿を見送る私。通常引き止めたり諭したりすることが本当の大人なのかもしれない。けれども引き止めることをしないこともまた大人なのだとはたと気づかされる。

 

この話、もし自分だったらどうしただろう。私も若い頃は好き勝手してきた(させてもらった)方なので、この50歳の彼女の思うところに賛同するものがあった。人は様々な経験をしたからこそ自分のことを「まあ、こんなものでしょう」と思えるようになる。幾つになっても大人になったという実感がないねぇ・・なんてたまに思うのですが、かつての自分とよく似た若者に出会った時に本当の自分の成長が判る気がします。実際どこから大人なのか、どのくらい成長したか測るスケールはないのだけれども、若い頃の自分とよく似た若者へ発せられた自分の言葉や態度に「熟成度」が見えてくるものなのかもしれません。

 

年齢によって悩みの種もコロコロと変わりゆく。若い頃は「ああしたい。こうなりたい」とワーッとなっては何とかなっていた気もするが、そうもいかないことが薄々解って来る人生後半の悩みはじわじわと重い。だからこそ「まぁ、こんなもんでしょう」と思えるようになることは、長く自分と付き合う上で必要なことかもしれません。

 

ということで、短編ではいろんな層の女性たちの日々を、山内さんがまるでイタコになったような感じでリアルに描いています。そして、このタイトルを見てとても労われたような気分になるは、全世代共通して感じるものではないでしょうか。ほんと、あたしたちよくやってる。

 

 

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