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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー・あらすじ・感想】クマの名前は日曜日:アクセルハッケ

 

 

クマの名前は日曜日:アクセルハッケ著のレビューです。

クマの名前は日曜日

クマの名前は日曜日

 

 

感想:一転する世界がシュールで楽しい!

 

ねぇ、名前なんていうの?
なんでなんにもしゃべらないの?
なんで抱きついてこないの?
キスだって一度もしてこない。

 

ずっとすわっているだけ。

じゃなければ、寝ているか、立っているか。

せっかくいろいろ話しかけているのに、うんともすんとも言いません。ヒドイ!

 

この関係は一体???

 

まぁそれも仕方がない。
だって少年はクマのぬいぐるみ相手にしているのだから。
最初は名前がないから答えないのかと思っていた。
だから名前をつけてあげた。
初めて会ったのが日曜日だから「日曜日」って。

 

名前をつけてもクマの態度はかわらない(そりゃそうだ)
だから少年はついに癇癪をおこし、壁めがけて日曜日を投げつけた。

 

 

 

 

少年はある日、クマの世界に入り込んでしまう夢をみる。
そこではぼくがぬいぐるみという立場になる。
少年がぬいぐるみになって見たクマの世界は!?

 

じわじわとこの世界に入り込んでゆく。
特に夢の入り口のシーンは、可笑しいくらいシュールだ。
また、クマたちの生活ぶりがこれまた人間みたいで面白い。

 

さて、少年は無事に過ごせるだろうか?
ラストに目にするトイレのシーンは、あれあれ?と、笑ってしまう反面、ちょっと怖かった。デジャブみたいだけれど、何かが違う!

 

なかなか凝ったお話だった。
すべてはもっと日曜日と仲良くなりたかったから。
なんでなんでは、もっと日曜日のことを知りたかったから。

 

こどもが持つクマに対するもどかしい感情、なんか分かるよ。
可愛いがりすぎると余計にね。投げたくもなっちゃうね(笑)

 

挿絵も素晴らしい。
クマの世界の絵はずっと眺めていられたなぁ。

 

この本について

出版社 : 岩波書店

発売日 : 2002/6/21

言語 : 日本語

単行本 : 39ページ