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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】テディベアの書いた本:ビョルク・クリスティー

 

 

テディベアの書いた本:ビョルク・クリスティー著にレビューです。

 

テディベアに教えてもらおう!君たちの世界を。

 

楽しかったーー!!

こういったぬいぐるみを扱った本は外国の絵本とかに多いのだけれども、ぬいぐるみ本人が書いている本は初めて読みました(笑)

 

「ぬいぐるみなんて子どものものじゃない?」なんて思っている人には「なんのことやら?」って感じの本になるんだろうけど、子どものころからずっと一緒にいるぬいぐるみを持っている人なら、本当に共感できると言うか楽しい一冊だと思う。

 

もちろんわたくしは後者。6歳から一緒にいるスヌーピーがいます(笑)これだけ一緒にいると彼女にも物語があり、好きなモノやキライな物、怖いモノなどもちゃんとあったりする。長い時間をともに刻んだ彼女。もうすっかり痩せてしまったけど、いつも笑顔は絶やしません。

 

本書の主人公のテディベアたちも、人間とともに生活を歩んで来た子たちです。べったりだった幼少期を経て、やがて見向きもされない時期が訪れるなど、人間の成長に翻弄されながらも、ぬいぐるみたちにはぬいぐるみの世界がそこにはあって、思わず「うちと一緒だ」ってクスクス。

 

子どもが夜寝ている間にこっそり外の世界を旅しに出かけたり、強盗が入って連れて行かれるのではないかと怯えたり、目が取れて手当してもらったり。テディは禿げやすいとかの「あるある話」も面白い。

 

 

 

また、様々な角度からテディについて学べる一冊でもある。テディの生い立ちとでも言おうか、歴史やオークション関連、また、著名人のテディベアたちの紹介も。マーガレット・サッチャーさんのテディや、侯爵などの大事なテディたちの写真も。

 

おもしろいもので、イギリスでは大のおとながテディベアを抱えて、テディベアピクニックに出かけても、だれ一人おかしいとは思わないそうだ。とりわけ年配の愛好家が多いと言う。イギリスではこうしてテディと長い時間一緒に暮らす人が多いということになんだか気持ちが和む。

 

...と、イギリスの話を書いていますが、本書のテディの持ち主はストックホルム生まれのクリスティーナという女の子。毎晩パパがテディの話をしてもらいながら育つ。彼女とともに暮らすテディは9人。その中のビッグ・ベアと名付けられたテディベアがこの本を執筆したのです。表紙の写真、立派な物書きさんです(笑)

 

こういう本を読むと、絵本の原点みたいなものを感じずにはいられません。ぬいぐるみにはぬいぐるみの世界があり、それを想像することの楽しさったら。あなたの近くにいるその子も、もしかしたら夜中にこっそりベットから抜け出して....(笑)

 

ちょっと古いですけど、写真もいい感じにたくさん掲載されていて、たっぷりテディベアの世界に浸れる一冊でした。