しあわせのねだん: 角田光代著のレビューです。
お財布の中身はいくら入っていると安心?
「値段」って漢字表記だったら、もっと現実的なことをイメージしたかもしれませんが「ねだん」平仮名表記だと、なんかほのぼのしますねぇ。
財布の中身、つまり所持金はいくらくらい持っていると安心ですか?
私はカード払いが嫌いだから、現金派。だからと言ってそんな所持金を多く持つことはない。
角田さんの友人曰く、特別に何か買う目的のない普通の日の所持金は…年齢を四捨五入した数×1000 つまり27歳なら3万。21歳なら2万ってことらしい。
へぇ~~。そうなのか…。
そう言えば、周りの人達がいつも幾らくらい持っているのか聞いたことないな…。「1万円もある」「1万円しかない」という考えの違いなど、本当にお金に対する感覚って十人十色ですよね。
そんな日常の様々な「ねだん」にまつわる角田さん流のエッセイ。クリスマス後物欲35000円、想像力1000円等など、一体なんのことだろうと言うものまである。
また、母娘の旅行「記憶9800円×2」
この話、女性だったらこんな経験おそらくあると思う。ホロリと来るんだなぁ。
男値段、女値段なんていうのも、角田さんならでは面白い視点だなぁーとひたすら感心しました。
ところで、ここに出て来た小林製薬の「イララック1500円」イライラを抑える薬、まさか本当にあるとは思わなかった。さすが、小林製薬。このネーミングにも脱帽!この薬の登場する角田さんの怒り話、読んでいる私もイライラが感染。
2005年に出版された本ですが、いつ読んでも面白いエッセイだと思います。
ちょっと一息にはもってこいの1冊でした。