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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】梅桃(ゆすらうめ)が実るとき:吉行あぐり

 

 

梅桃(ゆすらうめ)が実るとき:吉行あぐり著のレビューです。

梅桃(ゆすらうめ)が実るとき (文春文庫)

梅桃(ゆすらうめ)が実るとき (文春文庫)

 

 

気成りの人 淳之介の母あぐりさん登場!

 

淳之介を生んだ母親に触れてみようということで、ご紹介いただいた本を一気読みいたしました。

 

あいにく私、あぐりさんのドラマを見てなかったので、どういった人物なのか全く知らなかったのですが、やはり苦労をガッツで乗り越えるという方でした。

 

以前読んだコシノさんのお母様と、なんとなくカブル生き方。
親の言いなりで結婚→出産→店を持つ→子供を預ける→夫の浮気→離婚→再婚→元夫早死と、一連のライフイベントが何故か私の中で出来上がってしまった。

 

あの時代の職業婦人の典型的パターンなのか?何はともあれ、常に必死に仕事も子育てもしている姿にただただ頭が下がる。

 

 

 

さて、私が今回注目したのは、淳之介の父親エイスケがどんな人物かということと、淳之介の結婚や宮城さんのことを母親はどう見ていたかという点です。

 

夫のエイスケはやはり若くして結婚したこともあり、遊びたい盛りで、結局ほとんど家にいない状況だったようだ。それでも、あぐりとの間に3人の子供をもうけている。子煩悩ぶり、特に和子に対してしっかり育児に参加しているシーンも見られる。


しかし、エイスケは早死にしたということで、この本ではあまり取り上げられていないのが残念だ。

 

淳之介の結婚についても、あぐりさん自身、それほど関心を示していない。とは言っても、宮城まり子に対しては、「大変一途な人」と言い、淳之介を相手にしている気苦労を労い、気にかけている様子が窺える。

 

その反面、本妻であった文枝さんに関しては、ほとんど触れていない。
やはり、宮城さんとは交流があったと感じられるが、文枝さんとは…と察せられる。

 

体の弱いのは家系なのか、淳之介も和子も、たいそう病気に悩まされたようです。今の吉行和子さんのお元気な様子を拝見している限りでは想像がつきませんが。

 

「母に贈る言葉」として和子さんがあぐりさんのことを「気成りの人」と表現されています。漂白したような真っ白という感じはしないのですが、78年も生きてきて、いやなものがまったく溜まっていないし、とても清潔な人だと。

 

さすが娘。上手い表現をするなぁと思います。
78歳にして仕事着を2枚も新調する元気さ!タフな女性とはまさにあぐりさんのような女性。そんなあぐりさんが珍しくメソメソしたのは、淳之介の「死」だったという。

 

ということで、やはり淳之介の気質は、父親の遺伝子が強そうだ…と勝手に解釈してみました。

 

さて、次はちょっとエグそうな愛人2人目の大塚英子さんの本を(笑)

エイスケさんのことが、消化不良気味。こちらの本も物色中。肝心の淳之介のエッセイも…となんでこんなにハマってるのか自分で可笑しくなる。

 

matome.readingkbird.com