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【レビュー・あらすじ・感想】吸血鬼:遠野遥

 

 

吸血鬼:遠野遥著のレビューです。

☞読書ポイント 

嫌だな、等級付けされる世界なんて。と思いながらの読書。これが目指すべき幸せな結婚の形なのか?閉ざされた不気味な社会で生きている人々の行方は....。

 

吸血鬼 (集英社文芸単行本)

吸血鬼 (集英社文芸単行本)

感想・あらすじ 

まずは本作の世界は....

 

嫌ですね、ホントに。でもこの国にはランク付けはないにしろ、女性の価値を「若さ」「美しさ」で判断することって結構ある。本作ではそこを大げさに描くことによって、社会の歪みや気持ち悪さをクローズアップ。うんざりする内容なわけだけど、なんだか目が離せませんでした。

 

特に主人公の通う特殊な学校では「おひつじ」と「おうし」の等級女子ばかりの学校。嫁入り前の彼女たちは日焼けをしないように徹底的に管理されたりする。例えば昼間なのに教室は遮光カーテンが閉められてたり、カップケーキ型の日傘を差さなければならなかったり。学校の場所も、日差しを避けられるようすぐに地下鉄に乗れる場所にある。

 

これら努力はすべて社会的地位のある男性との結婚に向かう。でもその結婚も彼女たちに選ぶ権利はなく、相手の男性が選んで求婚するというシステム。

 

一方、社会的地位と財産のある男性たちは、若い女性と再婚を繰り返すことが普通になっている。まぁなんというか、腹立たしいわけですわな。

 

物語はこの中学に通う有紗と、美容外科医の白井というふたりの視点で語られる。有紗はフードデリバリーをしている父親と二人暮らしで決して裕福な家庭ではない。そんな彼女が白井の妻・美優と知り合い交流が始まるわけだが....。白井家の裕福な生活と有紗の家庭との格差にも注目。

 

 

 

ということで、設定は結構面白いんですが、物語の流れ的にはどうなのだろう。これっていうものがないまま進んであっさり終わった感じがする。ただただこの世界の歪みと不気味さが際立つ。

 

というか、「おひつじ」「おうし」の等級女性と、社会的地位の高い男性ばかりの話なので、その他の人たちはどうやって生きているんだろう?「うお」の女性たちはどうしてるんだろう?お金のない男性はどうなの?など、他の部分も気になってしまうんだけど、本作ではごく一部の人々を切り取った感じで、それ以外の人々の動きがなにか見えずらい。もう少し何かこれってものを投じてくれると本作の意味が見い出せそうなんだけど。

 

でも怖いですよね。こんなのが普通のことだと思って受け入れている状態って。ちょっと違うかもしれないけど、昔のお見合いなんかはこれに近いものが少なからずあったんじゃないかな。本人の意思より、家柄や容姿、財力などを鑑みて親同士が決めるみたいなね。等級すらないけれども、見えない等級は確実にあったはず。今だって口には出さないけどあるにはある。....なんてことを考えながら読了。

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その他の作家さんたちも、もしかしたらこんな世界がいつかやってくるかも?って小説書いている。どれも不気味。

www.readingkbird.com

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