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【感想・あらすじ・レビュー】げいしゃわるつ・いたりあの:有吉佐和子

 

 

げいしゃわるつ・いたりあの:有吉佐和子著のレビューです。

☞読書ポイント 

置屋「綾津川」の女あるじ・綾千代のもとに、芸者たちをブロードウェイへというお誘いの声がかかる。その話に乗るかどうかのすったもんだを経て、果たして芸者たちは舞台に立てたのか?人間模様だけではなく、「芸者軽視」という当時の問題を投じながら当時の人々が生き生きと描かれている。

 

げいしゃわるつ・いたりあの (中公文庫)

げいしゃわるつ・いたりあの (中公文庫)

感想・あらすじ 

古い小説なのに新しい感じがするのも有吉さんならでは。なんでまたタイトルに「ひらがな」を用いたのか。インパクトがありますよね~。こういうところが、全く古さを感じないというか、今の小説と言ってもいいくらい。

 

でも内容は1950年代。しっかり昭和です。東京の置屋、芸者などの話なのですが、花街=遊女→花魁→芸者と、なんだかその区別を自分はちゃんとできていたか?と、本作を読んで改めて気づかされた。これらを全部同じ括りにしてしまうととダメなのである。ってことを知っただけでも、今回の読書良かったのかなと。

 

 

 

 

物語は置屋「綾津川」に謎のイタリア系アメリカ人がやって来て、芸者たちをブロードウェイに誘うという内容。まだまだアメリカは遠かった時代。当然、その話に乗るかどうか、頭を悩ますことになる。

 

芸妓組合、置屋のおかみ、芸妓、そして、アメリカ人の秘書として急遽駆り出された電話会社に勤める勢子等々が話し合いを重ね、アメリカへ向けて準備を始めるわけだが、その中に恋愛があったり、トラブルが勃発したり常にバタバタモード。

 

読んでも読んでも肝心なアメリカ大陸へ上陸する様子がない人々。一体いつになったら....と、悶々として読んでいた。私的には晴れてブロードウェイの舞台で輝く日本の芸者たちが喝采の嵐のなかにいる姿を心待ちしていたのですが、一向にそこに辿り着かない。もどかしい。

 

それもこれも最初から最後まで、謎のアメリカ人フランチョリーニ氏に振り回されちゃった感が。「ん~もう!」って思わす声が出てしまいました。後半登場するフィン夫人もなんだかな~な残念な人。この人も物語を荒らしたよな。

 

しかし、本作でビシッと内容が締まった感じがしたのは、「芸者」は技術を持った立派な職業であるにもかかわらず、「芸者蔑視」の傾向があることを、有吉さんは勢子の私観として綴り始めた。

 

勢子はこの花柳界について全く知らなかったのですが、彼女たちと関りをもつようになると色々見えて来るものがあった。人間として格を下げられている同性を悲しく思うようになる。そんなシリアスな話も含め、後半はグッと厚みが出てきます。あと、恋愛模様も目が離せない感じで面白いです。

 

ということで、結局ブロードウェイはどうなったの?そこは読んでのお楽しみ。全体的、前半はモタモタして先が見えず少々退屈でしたが、後半へ行くほど面白くなっていきました。

 

解説はハコちゃんこと岩下尚史さんです。いきなりの登場、ちょっと嬉しかった!ハコちゃんの文章を読むのも久しぶりでした。

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