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【感想・あらすじ・レビュー】三頭の蝶の道:山田詠美

 

 

三頭の蝶の道:山田詠美著のレビューです。

☞読書ポイント 

ノンフィクションなのか、フィクションなのか、そのはざまをゆらゆらと物語は進む。女流作家と呼ばれた時代の作家たち、編集者、そしてその親族の話から見えて来る個々の性格や人間模様は止められない面白さがある。当時の編集界隈を堪能できる山田詠美氏・デビュー40周年の作品。

 

 

 

三頭の蝶の道

三頭の蝶の道

感想・あらすじ 

「匹」とか「羽」だと思っていましたが、蝶の数え方は「頭」なんですね。まずはタイトルからお勉強になりました。そしてここでは、3頭の蝶=三人の作家のことをさす。

 

三人の作家とは、河野多恵子さん、瀬戸内寂聴さん、大庭みな子さんをモデルにしたと言われていますが、あくまでもモデルであって、フィクションの小説です。が、、、色々、事実と重なる部分も多く、生々しく感じる部分もあります。エイミーらしき作家もちょろちょろと登場する。それをご本人が書いているかと思うとちょっと笑えたりもする。そんなこんなであっという間に読んでしまいました。だって面白いんだもの。

 

小説家の世界、特に女流と呼ばれた時代の女性作家たちは我が強く、個性的。彼女たちに寄り添う編集者たちもまた個性的な者が多い。そんな人々が蠢く世界、面白いに決まっている。特に作家と編集者の関係性は、とても太いものがあって、まさに人生丸ごと共に歩んでいるということが伝わってきます。

 

そして筆を競った作家同士のつながりも。ある意味ライバルなわけだから、常に視野に入っている存在。時にバチバチと対抗意識を燃やしたり、時に「女流作家」と呼ばれた時代を共に頑張った同志としての意識があったりと、その関係性も山あり谷あり。人間関係を築くのに、相当不器用な部分があったり、じめじめした陰湿な部分も見え隠れする。しかし不思議と嫌な感じがしないのは、各作家たちの持ち前の魅力があるからだろうか。

 

 

 

 

全体的に「この部分は実話?」なんて好奇心を刺激されながら読んでいた。登場人物のフルネームも気になるところ。河合理智子(河合美智子)、高柳るり子(小柳ルミ子)、森羅万里(森茉莉)、新田純二(新田純一)、赤羽瑤子(森瑤子)、山下路美(山田詠美)←これが一番ツボったw なんか思わず考えてしまって。あ、( )の部分はあくまでも私の予想ですが....。今回どんな風にして登場人物の名前を付けたんだろう。結構遊び感覚を入れ込んでいる気がします(笑)

 

最後に、本作は山田さんが女流作家と呼ばれた時代に生きた作家たちに尊敬の念を表し、愛おしい人たちへ向けるまなざしが何よりも感じられる小説になっていると思いました。デビュー40周年の山田詠美さん。おめでとうございます!

三頭の蝶の道

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山田詠美プロフィール

1959年東京都生まれ。85年「ベッドタイムアイズ」で作家デビュー。『ソウル・ミュージック ラバーズ・オンリー』で直木賞、『トラッシュ』で女流文学賞、『A2Z』で読売文学賞、『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、『ジェントルマン』で野間文芸賞、「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞をそれぞれ受賞。近著に『肌馬の系譜』『もの想う時、ものを書く』など。(WEB河出より)

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