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【感想・あらすじ・レビュー】老いを読む 老いを書く:酒井順子

 

 

老いを読む 老いを書く著のレビューです。

☞読書ポイント 

昨今本当に増えた「老い本」。「老い本」というジャンルも確立されつつある。本作は様々な角度から「老い」を考察。「老い本は不安と希望のしるし」ということもしっかり実感できる。読みたい本が増えるだけでなく、老いに対する予習ができるのですべての世代の人向け。

 

老いを読む 老いを書く (講談社現代新書)

老いを読む 老いを書く (講談社現代新書)

感想・あらすじ 

「老い本」というジャンルが確立されつつあるようです。かくいうわたしも気がつけば結構「老い本」に手を伸ばしている気がする。少し前は老人が出てくる小説を好んで読んでいましたが、最近は年齢的にも老い対策や、老いそのものに関する本が気になり出している。新聞広告などを見ていると「あ、これ私も!」って刺さるワードが目に飛び込んでくる。これも一種「老い」の始まりなんだと思う。

 

さてそんな「老い本」がブームを迎えた今、酒井さんもやはり注目していて、様々な角度から「老い」に関することを考察。酒井さんの本も「おひとりさま」から「老い」にシフトされていくのかな...なんて思わされるほど、結構な熱量で考察しているとなぁーといった印象です。

 

 

 

 

昔から「老い」をテーマにした小説は今ほどではないにしろあったわけで、そのような本を酒井さんが丁寧にピックアップしてくれている。1957年「楢山節考」から始まり現在に至るまで、面白そうな老い本が次々と紹介されています。長谷川町子さんの「いじわるばあさん」とか、懐かしいタイトルなんかも目に入りにんまり。

 

当時の老人と呼ばれる人は今よりずっと若い年齢であったことを改めて実感する。よくサザエさん一家に例えられることが多いけど、磯野家は今思えばまだまだ皆若い。

いや~改めてこの一文を読んで驚くばかりです。平均寿命が40年も伸びたなんて!昔の人は老後の心配をする前に寿命を迎えていたわけですよね。人生のスピード感も今とは全然違っただろうなぁ。

 

.....など、本書では様々な角度から先人たちの様子や考えなどを引用しながら考察していく。本当に様々な角度から話が飛んでくるという面白さがありました。

 

「おわりに」では「老い本は不安と希望のしるし」というタイトルで締めくくられています。確かに老い本は読むことの繰り返しだなぁと感じます。未知に対する不安もあるけど、先人たちの様子から希望が持てたりもする。だから救いを求め、ついつい読んでしまう。

 

老いが気になり出すと誰もが手にしたくなる「老い本」は、今後ますます増えていくことでしょう。私的には当たり外れが激しいなぁーと感じるジャンルだと思っています。現にこの本を読む前にも別の老い本を読んだのですが、イマイチだったんで感想も書けませんでした。そういうことが結構多い老い本。

 

本書からは、安心して読めそうな気になる老い本が大量に発生したという、嬉し迷惑な悲鳴を上げて本を閉じた次第です。

酒井順子プロフィール

1966年、東京都生まれ。高校在学中から雑誌でコラムを連載する。大学卒業後、広告会社勤務を経て執筆に専念。2003年に発表した『負け犬の遠吠え』がベストセラーとなり、婦人公論文芸賞、講談社エッセイ賞をダブル受賞。『ユーミンの罪』『子の無い人生』『百年の女』『駄目な世代』『男尊女子』『家族終了』『ガラスの50代』『女人京都』『日本エッセイ小史』『消費される階級』などの著書の他、『枕草子』(上・下)の現代語訳も手掛けている。(Amazonより)

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