珈琲怪談:恩田陸著のレビューです。

☞読書ポイント
感想・あらすじ
タイトルに惹かれて借りて来た1冊なのですが、「17年ぶりの塚崎多聞シリーズ」と帯に書いてあります。読み終わってから「なにそれ?」ってなったのですが、確かにこの「多聞」という人物が出て来るのです。ちょっと変わった人でもあるんですけどね。彼はどうも恩田さんの他作品にも登場しているようなんですね。そんなことを知らなくても読めてしまったわけですが、読み終わって一番印象的だった登場人物は「多聞」だったなぁと。なんだろ、この人の過去ってどんななんだろう?
それはさておき、怪談ということなのでちょっと身構えて読み始めましたが、あまり怖くなかったです。感覚的には喫茶店の隣の席で雑談的な会話をしている人の話がたまたま耳に入って来た、それが少しばかり怖いって感じです。なので、あまり後を引かない。むしろ不思議~って話なんかも多かったかな~。
で、なぜに「珈琲怪談」ってわけですけど、喫茶店をハシゴしながら、各々が知っている怪談を披露し合うという遊び感覚的なものなんですけど、メンバーがこれまた色々で個性的。職業は音楽プロデュ―サー、検事、作曲家、医者という構成。なんといってもおっさん4人組というのもまた珍しい組み合わせ。仕事の都合上、全員が揃うことはまれだけど、とにかくみんなよく喋ります。

そして開催される場所は、いつも喫茶店ではあるのだけれども、京都、大阪、横浜、東京等々、あちこち変わります。喫茶店から喫茶店へ。移動中も、おっさんたちがわちゃわちゃしながら歩きまわる姿がちょっと微笑ましい。
怖い話はたくさん出て来たけど、これって言うものは個人的にはなかったかな。ただ、実話かどうか区別のつかないものも多く、どっち~ってなるものはあった。例えば、台湾の台北にある外資系ホテルは「死刑場の跡地」だった....なんて小ネタが出て来ると、思わず調べてしまったりしました。これは実話だったわけですが、結構、実話も入っている感じですね。
ということで、怖いというより、なんだかおっさんたち楽しそう!って思ってしまった。ある一つのことをテーマに、喫茶店巡り。あちこちの町を訪れて、好き放題に話すなんて、なかなか贅沢な小旅行ではないですか。
恩田陸プロフィール
1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。1992(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞した。
(Amazonより)
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こちらが本作の関連シリーズか?多聞が出てきている模様。





