四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて:村上春樹著のレビューです。

☞読書ポイント
四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて
感想・あらすじ
村上春樹氏の作品を読んできたとは言えないのだけれど、このタイトルはなんとも「村上春樹」を感じてしまい、思わずニヤリとしてしまった。もうこの一文ですっかり物語が始まっているような、完成しているような、ちょっと鼻につくような(笑)
ラジオで紹介され興味を持ちました。表題作と「鏡」、合わせて2編の短編集。(短編なら読めそうとも思った)台湾の高妍さんの繊細で美しい装丁画は、つい手に取りたくなるような雰囲気を醸し出しています。イラストの割合が高く、ピクチャーブックというそう。なんとなく、わたせせいぞうさんの世界を思い出す。
理想の相手と出会う。しかも100%の理想の相手。運命、奇跡......彼と彼女はそんな相手に出会ったのです。彼は18歳、彼女は16歳の時に。当然、その後も一緒に楽しく過ごすのではないかと思ったのですが、彼らは出会えた奇跡を簡単には信じなかったのです。

(本文より)
嗚呼、確かに再び会えたらドラマチックだけどねぇ.....。とにもかくにも若いふたりはこんな賭けみたいなことをして一旦別れるのです。もったいないし、まどろっこしいなぁ.....。ま、それがこの作品の旨味なわけですが。
さて、時は流れます。二人は30代に。果たして待っているのはハッピーエンドか、否か、是非、読んでみてください。
そして、もうひとつの短編「鏡」は、怪談なんです。実は村上さん、怖い話も結構お好きなんだそう。これはちょっと意外でした。村上さんさんが描く不思議な世界。貴重な作品だと思います。
「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」は海外では「世界一好きな短編」とまで言われているそうです。40年前の作品、ずっと読まれてきたのですね。
ということで、タイトルは長いけど、内容はサラッと春風が吹いていくような軽快な読み心地です。暑い夏より、春先に読むのがベストかも!
合わせておすすめ




