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【感想・あらすじ・レビュー】わたしの知る花:町田そのこ

 

 

わたしの知る花:町田そのこ著のレビューです。

☞読書ポイント 

ちょっと変わり者である老人が孤独死した。彼の人生を追っていくとそこには驚きの人間模様や繋がりがあった。運命に翻弄されながら、最後に残ったものとは....。

 

わたしの知る花

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感想・あらすじ 

人ひとりの人生には、当たり前なんだけど、なんて色々な出来事が詰まっているんだろうと改めて思う。本作では「平」という町に現れた謎の老人男性を中心にその人生を探っていく内容なのだけれども、彼に関わった人々の人生もまた本当に深い。

 

特に学生時代にいつも平のそばに居た「悦子」の人生もものすごい奥行きがある。彼と彼女、二人の人生を大きく変える分岐点は、本当に運命だったとしか言いようがない。そしてその運命を左右させるものには必ず人間関係が絡んでいる。

 

「あの時間が」「あの人が」「もし....」振り返ればそんな言葉が頭の中をよぎる。この物語は「タイミング」というのが一つの鍵になっている。

平も悦子も、ずっとこんなことを考えながら生きていたのだろうなぁ....と思うと切なく、心苦しい。それでも人は、ほんの一握りあった「幸せな時間」も忘れない。心の片隅に置いておいて、確かにあったものを抱きしめて生きているということも感じられる。

 

様々な人々が語り手に。若い世代の話にはLGBTQがあったり、夫婦の話では不妊の話、ちょっと前の日本の女性の生きずらさなど、その時代、時代の社会情勢を背景に物語が進行していきます。

 

 

 

 

ラストを迎えるまで本当に長い長い道のりでした。途中、話がどこへ進むのか掴めずに淡々と読んでいましたが、とにかく後半はなんだかずっと涙目で読んでいました。わーーーーっと泣くんじゃなくて、涙がどんどん溜まっていく感じで。

 

切なかったです。でも、次世代へとバトンが繋がっていく感じとか、もどかしいながらも、ちゃんと伝わったっこともあったりと、決して読後感は悪くないです。このなんとも膨らんだ気持ち、読書の醍醐味でもあるんだけど、読み終わった日は、この物語から抜けられなかったです。余韻がすごいです。その一因は、平の描いていたお話。これがもう本当に泣かされるんです。これから読む方も、きっと泣かされますよー。

 

わたしの知る花

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町田そのこプロフィール

1980(昭和55)年生れ。福岡県在住。2016(平成28)年「カメルーンの青い魚」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。選考委員の三浦しをん氏、辻村深月氏から絶賛を受ける。翌年、同作を含むデビュー作『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』を刊行。2021(令和3)年『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞。他著書に『ぎょらん』『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』『宙ごはん』『夜明けのはざま』『わたしの知る花』などがある。(新潮社・著者プロフィールより)

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