東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を掲載しています。

東京MXTVの5時に夢中!で紹介された本や映画を紹介します。新潮社の中瀬ゆかりさんが番組内のコーナーで、月に1度、3本ほど紹介しています以下は、おおまかなあらすじと、中瀬親方が話していたことを簡潔にまとめたものを掲載しています。親方はどんな本を紹介してくれるでしょう。早速見て行きましょう!
【関脇】小説 嗤う被告人:前川裕
中瀬さん:
主人公は「銚子のドンファン」の異名を持つ老資産家殺しの容疑者の弁護士をしながら事件の全容を解き進める。紀州ノドンファン事件がモデル。すでにこの事件はみんな知っている。もちろん小説ではあるけど、事件の概要はほぼ本家と同じなので、あの事件をおさらいする。
由紀の言動に翻弄されながらも調査を重ねていくうちに別の疑惑が....。大きな展開を経て、最後に真犯人を突き止める。中盤、終盤に訪れる急展開の描き方はさすが前川先生。
この本の凄いのは、裁判がまだ始めっていないときに書き下ろしとして、原稿ができていて、本家の一審無罪判決が予言されていたと言う。
読んだ後に思わず「あーやられた!」ってなるような、実話系ミステリー到達点ともいえる意欲作になっています。
【大関】映画 愛を耕すひと
中瀬さん:
18世紀のデンマークが舞台。無口で貧乏な退役軍人が、長年不可能とされた荒野の開拓を自分がやると名乗り上げる。地元の有力者が自分の勢力が衰退するのではと恐れ、開拓の邪魔をしまくる。彼らの酷い仕打ち、あとは、自然の驚異と奮闘する中で、美しい令嬢に想いを寄せられたり、人々の出会いによって、閉ざされていた彼の心は大きな変化が起こる。人生の愛というものを知っていく感動のストーリー。
実はこれ実在の人物がモデルとなっていると聞いてびっくりした。極貧、極寒、飢え、悪環境、大切な人との死や別れなど、涙なしには観られない残酷な試練が次々と彼を襲う。ハラハラするストーリーはもちろん、我らがマッツ・ミケルセン様の目の演技がとにかく圧巻で、閉ざされた心が徐々に開かれていくという様子を見事に目だけで表現していて、めちゃめちゃ格好いい。こんなこともできるの?って惚れ直してしまいました。
この主人公は決して好感が持てるわけではなく、気難しいキャラクターで、共感できるなぁと思うと、嫌な部分も見えるという難しい役どころ。マッツ・ミケルセンは自分の最も嫌うものの一部になりたいという思いから、自ら監督に志願して演じたらしい。そんなイケおじ界のエース、マッツ・ミケルセン様の恰好よさだけではない役者魂もたっぷり味わえる感動作。是非ご覧下さい。
いよいよ横綱👇
【横綱】映画 聖なるイチジクの種
中瀬さん:
市民による政府への半抗議デモに揺れるイランで、国家公務に従事する一家の主・イマンとその家族を描いた作品。
物語自体はフィクションなんですけど、イラン当局によって鎮圧された2022年から23年の抗議活動の実際の画像を入れていて、今のイランの実情がリアルに描かれていますし、モハマド監督は過去の映画が政府と対立を招いたとして有罪判決を受けていてパスポートも没収されている。それでもこの映画を世界に広めたいという一心で亡命して1か月かけてカンヌ映画祭に辿り着き出席。この信念がこの映画の魂の抜けるようなラストに繋がっていて心を揺さぶられる。
まさに命がけで世界に問いたかったという作品の重みもさることながら、イラン政権に対する痛烈な批判をここまでストレートに表したという作品はなかなかない。監督はもちろんキャストたちの一部も国外に住んでいるようですけど、その本気も劇場で体感してみてください。
後記
今月はなかなかシリアスな映画が2本登場。どちらもじっくり鑑賞したくなる内容でした。イケおじ通の中瀬親方。一体、本日何回「マッツ・ミケルセン様」と、言いにくそうな名前を連呼したでしょうか(笑)
今年もエンタメ番付がはじまりましたねぇ。1か月に1回ですが、もうずーっと楽しませてもらっています。今年は何冊読めるかな~それではまた来月♪




