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【感想・あらすじ・レビュー】ツユクサナツコの一生:益田ミリ

 

 

ツユクサナツコの一生:益田ミリ著のレビューです。

☞読書ポイント 

明日は何が起きるかわからない。これに尽きる話。日々を大事に生きて行こうという心構えができるお話です。ほのぼのしたイラストからは想像が出来ない衝撃的な展開にも注目です。

 

ツユクサナツコの一生

ツユクサナツコの一生

 

 

 

 

感想・あらすじ 

久しぶりの益田ミリさんの作品。発売当時からかなり話題になっていて、ずっと読みたいと思っていました。ミリさんの作品はイラストの雰囲気から「ほのぼの」と言ったイメージが強いのですが、実は「結構シリアス、容赦ない」って部分も見え隠れする作品も多い。作品数が多く、最近は追いきれなくなっていますが、読むたびに「おっ!」って来ることが多くなった気がします。

 

そして本作。ちょっと演歌みたいなタイトルですね(笑)一体ツユクサナツコさんって何者なんだろう?なんて疑問も最終的には吹っ飛んだほど、今まで読んだミリさんの作品の中で一番驚いた、放心した、泣いた。そしてまた放心した。

 

感想を書こうとするとネタバレに繋がってしまいそうなので今回は短めになりますが、とにかく日常ってこういうことなんだよね。こういうことって実際、私たちの日常にはよくあること。誰にでも起こり得ること。だからこそ、どんなにささやかな日常でも大事に過ごさなきゃってことを思い知らされます。

 

 

 

 

さて、ツユクサナツコさんのことに触れておこう。

彼女は32歳で駆け出しの漫画家。ドーナツ屋さんでアルバイトしながら隠居している父親と静かな毎日を過ごしている。母は亡くなり、姉は嫁いで遠くに暮らす。

 

ナツコはバイトから家に戻ると「自分が今思っていること」を漫画にする。ナツコの日常の中に、ナツコの書いた漫画が作中作として差し込まれ、2つの話を読みながら進行する構成。コロナ禍での話なので、その閉塞感もよく描かれている。

 

アルバイト先での出来事や人間関係、父親との会話など、概ね淡々とした日常と言う感じなのですが、後半、思わぬ展開が待っていました。ほんと、衝撃的でショックでしたが、このシーンは、誰しもいろんなことを考え、明日からの生き方に、多少なりとも影響を与えるものだと思いました。

 

コミックでサラサラ読めますが、最終的にはズッシリしたものを受け取った気分になります。益田ミリさんの史上最長編、手塚治虫文化賞も受賞されたそうです。今までのミリさんと一味違う作品です。お見逃しなく!

 

※上の写真部分は、本書に挟まれていた写真。

 

益田ミリプロフィール

1969年大阪生まれ。イラストレーター。主な著書に、漫画『マリコ、うまくいくよ』(新潮社)、『すーちゃん』(幻冬舎)、『僕の姉ちゃん』(マガジンハウス)、『沢村さん家のこんな毎日』、他多数。(新潮社・著者プロフィールより一部抜粋)

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この作品もミリさんのイメージがちょっと変わった一冊でした。七変化するミリさんの作品は、時々驚かされます。

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