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【感想・あらすじ・レビュー】宇治拾遺物語:町田康訳

 

 

宇治拾遺物語:町田康訳のレビューです。

☞読書ポイント 

古典と言うとちょっと構えてしまいますが、そんな心配は一切不要。宇治拾遺物語ってこんな面白かったの?ってことに気づかされます。笑えるけどちゃんと教訓があるのにも注目です。町田氏の描く古典の世界へ!

 

 

宇治拾遺物語 (河出文庫 ま 17-5)

宇治拾遺物語 (河出文庫 ま 17-5)

感想・あらすじ 

なんとなく勝手につまらなそうって思っていたのも、ガチガチな漢字のタイトルの圧が強かったせいだろうか。自分の中での思い込みもあって、まったく興味を持たなかった「宇治拾遺物語」。しかし、今回、町田氏の文庫本の装丁画に「え、おもしろ路線なの?」と飛びついた。

 

ということで、町田氏が宇治拾遺物語の中から選んだ33篇を現代語訳で綴る内容。その文字通り「現代語」を駆使して爆笑を誘う。時代は昔なのに、登場人物が完全に現代人の若者たちのライトな会話になっているので、それを想像するだけでもう可笑しくって。

 

 

 

 

ストーリーはどれも結末がどうなるのか知りたくて読み進められるものばかり。昔ばなしって意外に容赦ない展開や結末が多いですが、本作も結構キッツイ内容だったりする。それらを町田氏がシュールな面白さを加えながら、楽しく調理しちゃってる感がムンムンと漂ってくる。案の定、あとがきで町田氏は「宇治拾遺物語の翻訳は楽しい作業だった」と言っている。

 

宇治拾遺物語はいわゆる説話集ということで、面白い話の中にもやはり「教え」とか「教訓」のようなものを最後に感じるものが多い。自分だけいい思いをして人を騙したり、欺いたりしたらこういうことになるぞ!的もの。

 

一番それを感じたのが「雀が恩義を感じる」という話。怪我した雀を助けたお婆さんが、雀からたいそうなご褒美をもらったということを知った近所のお婆さん。彼女は自らの欲望を満たすために雀を捕まえ、腰骨を折るという酷いことしてしまう。雀は復讐を誓い、そして....。

 

結局、このお婆さんは痛い目に遭うわけで、悪者は結局やられてしまうというちょっとした爽快感もありで面白かった。他にも、

「ええーーーー、帽子かぶらないことは、股間丸出しとおんなじ??そんなだったのぉお?」って、くすくす笑いながらも、このように当時の情報を知ることが出来るのも楽しいところ。

 

 

 

 

というわけで古典と言えば雅なものを想像しがちですが、もう思い切りお下品だったり、卑劣だったり、滑稽だったりと、いつの時代もやっぱり「人間」って面白い生き物だし、人の集まるところに面白ネタもたくさん集まるものだと感じました。

 

河出文庫の古典新訳コレクションってこんな感じでどれも読めるのかな?まだ読んでいない古典を読んでみるのにいいかも~。

町田康プロフィール

1962年大阪生まれ。『くっすん大黒』でドゥマゴ賞、「きれぎれ」で芥川賞、『告白』で谷崎潤一郎賞、『宿屋めぐり』で野間文芸賞など受賞多数。他の著書に『ホサナ』『しらふで生きる』『口訳 古事記』等(Amazonより)

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