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【感想・あらすじ・レビュー】JK、インドで常識ぶっ壊される:熊谷はるか

 

 

JK、インドで常識ぶっ壊される:熊谷はるか著のレビューです。

☞読書ポイント 

3年間、インドで暮らした女子高生が、リアルに経験したインド社会を覗く。他のインド体験記と違うのは、学校生活が綴られていること。想像を超える部活内容に驚き、ストリートチルドレンとの交流で考えさせられる。自身のことと捉えてみること、自分の考えをまとめることなど学びが大きい。

 

JK、インドで常識ぶっ壊される

JK、インドで常識ぶっ壊される

 

感想・あらすじ 

タイトルといい、装丁画といい、女子高生のちょっとふざけたというか軽い滞在記的な話だと思ったら、とてもしっかりした内容。著者の思慮深さにびっくり。今の若者はこんなにしっかりしているのかと。自分が高校生だったとき、こんな風に物事を捉えられたかな?って、しきりに思うのでありました。

 

たしかにタイトル通り、インドの社会、生活は日本とは全く違う世界であり、行ってみて初めて知ることばかりだということは読む前から想像はできたのですが、そのことについてどう感じ、そしてそれをどう捉えて行動に移すかはその人次第なのだということを強く感じました。

 

 

 

 

今回、筆者は父親の転勤について行ったということで、自分の意思でインドと言う国を選んで行ったわけではない。高校生という最も楽しく、キラキラした楽しいと思われる時期を目前にインドへ....ある意味とても迷惑な話。父親の単身赴任という選択肢もあったでしょうけど、熊谷さん一家はみんなで海外赴任。ブーイングも迷いもなさそうだったこの一家の潔さを感じます。

 

ということで、インドでの生活が始まる。インドと言ってもその生活は運転手付きだし、ハウスキーパーも居て、おいしい日本食だって作ってもらえる生活。インターナショナルスクールも環境がよく、彼女はなんなく学校に馴染んでいく。通学時間はスマホを見たりして、その様は電車と車の違いはあるけど、日本での生活と変わりなく過ごしている。

 

しかし、窓から見える景色はインド。貧富の差が激しい社会。車の窓を叩く物乞いの子どもたちが常にうろうろしているし、無秩序な交通、人も動物も蠢く道路。自分の過ごす環境との違いが相当あったと窺える。

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また、住んでみなければわからないエピソードもたくさん登場します。食生活やインド人の国民性など、このあたりは大人たち書く数々の本と変わらないのですが、本書は何といっても女子高生目線で書かれているのが大きな特徴であります。インドの学校での活動など、これまで読んできたインド本とは一線を画すものがあります。なかでも部活の話はなかなか聞けない貴重な話です。動物盛りだくさんで(笑)

 

 

 

 

後半はストリートチルドレンと交流することによって、彼女の考え方の枝がどんどん強く太くなっていく過程を見ているような内容です。と同時に、読者もいろいろ考えることになる内容で、例えば「物乞いしてくる子供にどう対応すればいいのか」お金なのか?食べ物なのか?それとも何もあげないことがいいのか。彼らにとってベストな援助はなんだろう。答えにはストリートチルドレンが抱える問題の奥深さが詰まったものであった。

 

筆者は何度となく彼らとの交流の機会を得て、自分なりにできることを手探りで始める。そこで見たこと、感じたことを、少しずつ自分自身のことと捉えながら行動する。しかし、コロナがはじまりそれらの活動も断念。父の異動も決まり3年にわたるインドでの生活を終えることになる。

 

この3年間の貴重な経験は彼女の人生の大きな財産になることだろう。というか、すでにこうして本にもなっている。文章力も相当なものがある。読んだ本のタイトルなんかがチラチラ登場するあたり、読書家でもあるのだろうなぁと感じます。この先、彼女がどんな道に進むかは分かりませんが、計り知れないほど未来を感じられる頼もしい方だと感じました。ご活躍を期待しています。

 

ということで、女子高生的なライトな感覚と、異国文化を自分なりに真面目に考え綴ったバランス、テンポよい、読み易い一冊でした。

 

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