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【感想・あらすじ・レビュー】実母と義母:村井理子

 

 

実母と義母:村井理子著のレビューです。

☞読書ポイント 

実母と義母、その関係性はどちらが大変か。介護が必要になってはじめて見えて来る彼女たちの生きざまなど、過去の出来事を振り返りながら著者の思いを綴る。

 

実母と義母 (集英社ノンフィクション)

実母と義母 (集英社ノンフィクション)

 

感想・あらすじ 

 

小説かと思って読み始めたのですが、村井さんご自身の実体験に基づく話でした。「実母と義母」、結論から言ってしまえば、どちらも「大変」ということです。付き合い方も、お互いの年齢とともに変化はするものの、いつの時代も関係性にストレスは付きものなんだなぁと言うことが読んでいると嫌というほど分かる。

 

村井さんの実家のお母様は癌に罹りすでに他界。お姑さんである義母は義父と暮らしているが、認知症が進行し要介護という状況。その間、実のお兄様も他界されたということで、結構、お辛い状況が続いているとも言える。

 

実母と義母のことについて過去を振り返りながら、老いて行く彼女たちの状況を赤裸々に綴っている。それゆえに、結構読むのが辛いし疲れる。なにせ二人の女性の生きざまが包み隠さず書かれているので、その重みがズシンと来るのだ。

 

 

 

 

義母は結婚当初からかなり辛辣なことを言う姑で、干渉も激しく、嫁である村井さんも何度か癇癪を起している。もうホント言われっぱなしでね。せめてもの救いは別居だったことかな。

 

実母は兄ばかりを可愛がる母親だった。ふたりは気が合い、村井さんは随分寂しい思いをしたようだ。母親より父親との方が気が合ったそうだが、お父様は早くに亡くなったので、ずっと仲間外れ的な感覚があったのだろう。お兄様も無神経なことを平気で言う人であっただけに大変だっただろう。実母は夫が亡くなったあと、恋人を作ったりして後半は好きなように生きたようだが、村井さんとの距離はあまり縮まることはなかった。

 

そんな二人の母たち。娘とはうまくいかないけど、義母は実母のことが大好きだと言う。面白いもんですね。

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(本文より)

二人は認知症になっても普段のクセは抜けなかったそう。狭い世界で生き、そこで生き抜く術・コミュニケーション方法だったのだろうと村井さんは分析。

 

 

 

 

現在、義母の介護をしながら、自分の母親には何もしてあげられなかったということに、村井さんは居心地の悪さを感じているという。

 

自分も年を取って来ると、自ずと親のその時々の気持ちが理解できてくる。わたしも時々「今は解る」ってことが多々ある。けど、当時は若さゆえに理解できなかったり、反感を持って言い争ったりもした。そんな親子関係も、今はただただ一日でも長生きすることに専念。弱き母をどう守っていくかが、目の前の課題としてぶら下がっている毎日だ。

 

親の介護等が現実的に迫ってきている世代、親の介護中の方は一読すると良いと思います。とにかく親の身体ってあっという間に弱くなる。親と別居されている方は、日々の変化に気づきにくいと思います。久しぶりに実母と会ったときの村井さんの話はきっと心に響くと思いますので、是非読んでみてください。限られた時間で子が親にできることは何か、考えるきっかけになると思います。

 

ということで、思っている以上に読むのに時間がかかりました。正直、辛い話ばかりですが、大なり小なりこれが現状とも言えます。年は取りたくないけれど、いつかは自分も....ということも踏まえて読むことも大事だと感じました。

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こちらは村井さんが描いた「認知症」の小説。具体的は話がリアル!

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