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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【まとめ】中江有里のブックレビューで紹介された本 テーマ:「普通」ってなんだろう。

 

 

2023年4月10日放送分。ひるまえほっと・中江有里のブックレビューをまとめたものを掲載しています。

NHKの「ひるまえほっと」内で、女優・作家である中江有里さんが紹介した本を掲載。番組内で話されていた内容を、ざっくりですが文字に起こしお伝えします。

番組コーナー紹介文

月に一度のブックレビューです。案内人は女優で作家の中江有里さん。年間300冊の本を読む中江さんが、幅広いジャンルからご紹介。あなたも夢中になれる1冊に出会えますよ!

2023年4月10日放送のテーマは、「普通」ってなんだろうです。 

 

父ではありませんが:武田砂鉄

内容

子どものいないあなたにはわからないと言われるけれど――「ではない」立場から見えてきたこととは。「父親とは…」「母親とは…」「子育てとは…」大きな主語で語られ、世の中で幅を利かせる「普通の家族」をめぐる言説への違和感を「父ではない」ライターが遠巻きに考えてみた。(Amazonより)

 

・父とは?母とは?家族とは?といった当事者の語りに第三者はどう考えるか?

・普通の家族の普通とは一体なんなのか?普通の意味を定めることは、普通でない第三者だけでなく、当事者をも苦しめているように思えました。

 

 

 

 

他人の家:ソン・ウォンビョン

内容

『アーモンド』の著者が贈る、極上の短編集!
ミステリー、近未来SFから、心震える『アーモンド』の番外編まで、珠玉の8編を収録。彼氏に振られ、職場をクビになり、賃料の値上げによって、今住んでいる部屋からの退去を余儀なくされた、踏んだり蹴ったりのシヨン。部屋探しのアプリで、格安の超優良物件に出会った彼女は即、入居を決める。格安なのには、理由があった――本来二人で暮らすはずの部屋を、四人で違法にルームシェアしていたからだ。優雅な独り暮らしには程遠いものの、そこそこ不自由のない生活を送っていたシヨンだが、ある日、オーナーが急遽、部屋を訪れる。慌てた四人は共同生活の痕跡を消すべく、その場しのぎの模様替えをし、借主の親族のふりをするが……(『他人の家』)。表題作ほか、人間心理の深淵をまっすぐに見つめた、傑作揃いの短編集!(Amazonより)

 

・ミステリー、近未来SF、様々なタイプの短編が収められている。主な舞台は「家」。プライベート空間である家に他人が入り込んだ途端、そこは落ち着ける場所ではなくなる。離婚寸前の夫婦、シェアハウスに暮らす人々、父親を殺そうとする子供たち。たとえ血縁であっても自分以外の人間はすべて他人。家は外からじゃ決してわからない顔しています。理想の家を見つけることは、自分だけの居場所を探すことと同じことかもしれません。

 

 

 

うけいれるには:クララ・デュポン=モノ

内容

フランス、セヴェンヌ地方。
両親、長男、長女。幸せな家庭に待望の第三子が生まれた。愛らしい子どもだったが、次第に彼が重度の障がいを抱えていることが分かる。長男は弟の世話にのめり込んでいくが、長女は弟の存在に徹底的に反抗する。だが、介護に疲れ果てた家族を救うために立ち上がったのは長女だった――。障がいを持つ子どもが生まれた家庭の葛藤を、庭の石の視点から静謐に描いた感動作。(Amazonより)

 

・人間はどこで生まれるか、育つか、自分では決められないけど、人格形成に大きく影響しますよね。おなじように育てられてきた兄弟が出て来るんですけど、長男、長女が弟に対する感じ方が全く違う。庭の石の視点で描くことによってちょっとクールな俯瞰の視点が生まれて来る。

yuri´s point 

「普通」だって苦しい。

 

 

 

 

私のものではない国で:温又柔

内容

よい外国人じゃなきゃ、ダメ? 台湾出身で〈日本語に住む〉著者が問う〈ふつう〉への抵抗。小さな声も自由に羽ばたき出すエッセイ集。3歳で台湾から日本に移り住んだ著者が、日常で味わった小さな違和からアイディンティティをめぐる問題、カズオイシグロから「愛の不時着」まで文学・映画を読解する批評文を収録し、日本の〈ふつう〉をやわらかに揺すぶるエッセイ集(Amazonより)

 

・温さんは3歳で日本に来てほぼ日本育ち。言葉もご両親の影響で中国語、台湾語が話せますけど、基本的には日本語を話す。小説も日本語でお書きになっている。日本にどっぷり浸かって生きているけれども、日本人じゃないってことで、日本の色々な部分が見えて来る。それはちょっと冷たい部分も含めてなんですけど、外国籍で日本育ち温さんだからこそ見えてくる不自由さが伝わって来る。

yuri´s point 

周辺からみる真ん中。(真ん中にいて見えないことが、周辺にいることによって見える)

本日の感想

ひさしぶりのブックレビューでした。様々な国の作者が集まった感じですね。とかく「普通」という言葉を安易に使ってしまいがちですが、「普通」の定義って実はものすごく難しいものなんですよね。どの本もきっと、わたしの感じる「普通」を覆してくれそうだなぁと感じました。それでは、また来月。