事故物件、いかがですか?東京ロンダリング:原田ひ香著のレビューです。
☞読書ポイント
感想・あらすじ「事故物件」に住む人にはどんな事情があるのだろうか。
大島てるさんのサイトが注目され始めてから、「事故物件」という言葉や本を多く見かけるようになった。かく言うわたしもサイトを覗き、近所に事故物件なるものがあるか調べたりしたわけだが、考えてみたら自宅で亡くなる人は世の中大勢いるわけで、どこからが事故物件となるのかなぁ....など知らないことも多い。
ということで、事故物件とはそもそもなんぞや?ってことで調べてみた。ガイドラインによると、
事故物件とは「自然死や不慮の事故死以外の死」や「特殊清掃が必要になる死」が発生した物件のこと。 つまり、自殺や他殺が発生した物件や、自然死や事故死であっても特殊清掃が行われた物件が事故物件として取り扱われます。
なるほど、つまり誰かに看取られたと状態ではなく、特殊清掃員が必要になる死というのがポイントみたいですね。
前置きが長くなりましたが、本書はその「事故物件」に敢えて住む人々、それを紹介する人々を描いた小説です。失踪の話なども含め、実際にこういうことがあるのかは分かりませんが、現代社会を映し出したようなリアルさがあった。
事故物件も一回人が住めば事故物件でなくなるということを踏まえ、人が嫌がる事故物件に敢えて仕事として一定の期間住む人々がいるという話なのだが、どういった事情でそこに住むことになったかは、人それぞれ様々な事情があり、彼らの人生もまた物語としての見どころが多い。
失踪.comの話を含め、色々な人の話が錯綜していて、なかなかすっきりしない部分が多かったが、最終的には繋がって来る。事故物件のあれこれと思って読み始めたけど、どちらかというと人間ドラマ的な要素が強いので、私みたいに「事故物件」に対して前のめりになっていると、若干の拍子抜けがあると思います。
そしてもう一つ。読み終わってから知ったのですが、本書は「東京ロンダリング」の続編なのだとか。また、失踪.comの改題とか。詳細は不明ですが(改題作ならどこかに記しておいて欲しいといつも思う)いずれにしろ、「東京ロンダリング」から読んだ方が、内容を掴みやすいかと思います。私的には消化不良な部分が残ったのも、この順番で読まなかったからかも?って思っています。
これです⇊
ということで、世の中にはいろんな仕事がありますが、ロンダリングのバイトっていうものがあるんですねぇ。事故物件の告知義務を逃れる手段になっているそうですけど....。こういうことがあり得るってことを踏まえて、部屋を借りるときは、事前調査を慎重にしないとならないですね。
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こちらはリアル。いわゆる何かが出ても動じない加門さん。とても真似はできない。