Web Analytics Made Easy - StatCounter

うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー・あらすじ・感想】きときと夫婦旅:椰月美智子

 

 

きときと夫婦旅:椰月美智子著のレビューです。

 

☞読書ポイント 

離婚に及ぶほどではないけれど、日々、相手に対するイライラは止まらない。...なんて夫婦は意外に多いのではないだろうか。そんな夫婦が旅をするとどうなるか?「きときと夫婦旅」は、決して仲の良い夫婦ではないふたりが富山観光をする話。旅がもたらす夫婦の関係はいかに?笑えたり、イライラしながらも観光気分が味わえる一冊です。

 

感想・あらすじ 冷めた夫婦関係、旅に出るとどうなる?

 

ちょっと互いに冷めた夫婦が旅をする話。ごくごく平凡な内容なんですが、互いの心理が「これでもか!」ってくらい細かく描かれ笑いを誘う。いや、実際は笑ってはいられない。夫婦ってこういう些細なイライラ、ムカムカが、やがて危機を迎えることになるんですからねぇ。

 

本作は、息子が富山に住んでいる友人を訪ね、(実質親に告げずに勝手に行ってしまった)びっくりした夫婦は彼を迎えに富山に行くことに。しかし「今すぐには帰らない」と息子に言われ、仕方なく夫婦で富山観光をすることに。

 

普段会話のない夫婦が、ずっと一緒に行動することになったわけだが、やはり何もかもがいちいち気に障る。夫はマイペースとでも言おうか。いわゆる「鉄道好き」で、富山の鉄道を堪能できると率先してあれこれスケジュールを組んだりするのだけど、興味のない妻は終始不機嫌。

 

 

とにかく顔を合わせたら喧嘩が勃発しそうな雰囲気のなか、夫が昔付き合っていた人が登場したり、何度も出会う年配の女性など、結構ハプニングもある。仕舞には、夫の言動にブチ切れた妻は別行動をする始末。

 

なんというか、夫は決して悪い人じゃないけど、いわゆる女性の気持ちが読めない人。決定打はないけれど、デリカシーに欠け、なんかイラつかせる人なんですよね。夫としても父親としてもなんかふわっとした感じで、責任感も強いとは言えない。けど、「鉄」のことになると、まさに脇目も降らずにって感じですさまじい行動力を発揮。結婚生活はそれでは困るわけで。

 

ただ、その「鉄オタク」な夫の登場によって、われわれ読者は存分に富山観光を楽しめることになる。富山と言えば「食」、新鮮な魚料理ばかりが気になっていたけど、観光も良さそう!特に鉄道の旅はいいなぁと心底思った。

 

さて、この旅の目的であった息子。ようやく連れて帰ることになるのだけど、なんやかんやこの息子のおかげで少しだけ相手のことを考えるようになった夫婦。やはり子の存在は大きいものだ。とは言え、夫婦関係が劇的変わるとかはあり得ない...と思う(笑)

 

さて、最後まで気になっていたのは温泉に入っているときになくなった「パンツ」はどうなったんだろう。あの時の場面だけが自分的には謎なんですが。読み逃したのかなぁ....。

 

ということで、富山で行きたい場所がたくさん増えました。特にスタバ。なにも富山に行ってまでスタバなんて...って思われるでしょうが、これが世界一美しいスタバらしいのです。願わくば、桜のシーズンに行ってみたいものです。

 

最後にタイトルの「きときと」は富山の方言だそう。驚いたのは富山空港は「富山きときと空港」と言うそう。その意味は....!?

 

双葉社 きときと夫婦旅

 

合わせておすすめ

*富山と言えばこの方

富山県出身の柴田さん。本書は趣味の着物のことだけではなく、富山県の情報も掲載。酒造や美味しいモノなど、富山はいろんなことが楽しめるところなんですね。

www.readingkbird.com