そして誰もゆとらなくなった:朝井リョウ著のレビューです
☞読書ポイント
感想・あらすじ とにかく笑えます!そして、読んだ後はちょっとだけ哀愁が漂います。
まず言っておきたいことは、朝井さんと三浦しをんさんのエッセイは公共の場で読んではいけないということ。今回この本を自宅で読み始めたのだが、開始数分で何度声を出して笑ったことか。と同時に「アブねー」って思ったのだ。もし電車の中でこれを読んでいたらと思うとゾッとする(笑)それくらい、つかみの章で完全に笑いの渦に巻き込まれてしまったのです。やれやれ。
完全に気を抜いていましたが、前回、大笑いとともに幕を閉じた「肛門記」。その後の様子をしょっぱなから綴る朝井氏。「おおーー、肛門のほうは完治したのか?」と、この話題がなんだか懐かしくもあり、再びこの話が始まるという訳の分からないワクワク感が。今回はその後の検診から、担当医と一緒に行った食事の話なのだけど、これがまた面白いのなんのって。ここでたっぷり笑いのシャワーを浴びることになるのだが、その後のどの話も、まあーー色々ドタバタしながら笑えるものばかり。
相変わらず人の結婚式の出し物に励んだり、バレーボールに、ダンス、催眠術、大量のケーキを食べ比べ脂質異常症になったり、滝行したり。そして海外旅行の話など話題は絶えることがない。ご本人は職業柄というのもあるけど、あまり普段動かないみたいなことをおっしゃっているが、いやいや、何かと活動している。むしろいつあのようなボリュームの小説を書かれているのかと思ってしまうほど、本業以外の活動にも精を出しているといった印象。
学生時代の友達も多く、一般企業でサラリーマン経験もあるとのことで、なんだかんだとてもバランスの良い方なんじゃないかと思う。今でもちょっとした学生時代のノリを持って生活している感じが楽しそう。
とは言え、彼の人生に付きまとう「トイレの影」。表紙をじっくり見てもらいたい。荒野に佇む著者。そしてはるか遠くに「トイレ」。そう、朝井さんとトイレの戦いは本当に大変なものだということが窺える。
今回のエッセイでもその様子が何度も語られる。上司のお別れ会で、そして、アメリカの友人宅で。その壮絶な話は手に汗握る、そして、気の毒だと思うのだけど、本当に面白く読ませてもらった。いや、お腹が弱いことで大変な苦労をされているのだけど....。
この一冊を読んでいると朝井さんがどんな方なのか、かなり解ると思う。どんな笑いを求めているのか、どんな目的で旅に出るのかなど、くすくす笑いながら共感できるものから、自意識との戦いであったり、どんな人間関係を築いているのか等、このエッセイから感じ取ることが出来る。
結婚されたそうだけど、そのことに関する内容はない。友達の結婚式では大騒ぎになっている感じだけど、ご自身の時はどうされたのだろう~?家族関係は書かないに徹するのかな?なんてことも気になりました。余談だが、朝井さんが私的に仲良くしている作家の柚木麻子さんも、かなりユニーク方ですよね。たびたび登場しますが今回もすごいことしている。
試し読みサイトもあるようですが、試さずいきなり笑いの世界へ突入する方が楽しいと思います!(笑)
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全て読まなくても解る内容ですが、「肛門記」などちょっとした連載ものがあるので、前作を読んでおいたほうが、さらに楽しめます!
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