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うずまきぐ~るぐる 

読書書評ブログへようこそ!読んだ本についてのあれこれを思いのままにぐるぐるかきます。

【レビュー】夜に星を放つ:窪美澄

 

夜に星を放つ:窪美澄著のレビューです。

 

 

 

☞読書ポイント 

直木賞受賞作。大切な人との別れ。人はその喪失感のなかでどう生きているのか。そして、そこからどう歩き始めるのか。喪失から星を放つまでの心の動きが繊細に描かれる短編集。どれも読みごたえがあります。

 

喪失感からの出発

 

直木賞が発表された日にたまたたま図書館からやって来たのがこの本。もう、なんて素晴らしいタイミングなの~と、ひとりニヤニヤ。窪さんはいつか必ず受賞されると思っていたので驚きはしなかったけど、やはりうれしい。デビュー作から漏れなく読んできましたからねぇ。毎度読み応えがあって、今となっては新刊が待ち遠しいと思わせてくれる作家さんのひとりになっています。

 

受賞作は短編集が選ばれた。これはちょっと意外でした。林真理子さんが「お手本のような短編集」って言っていたのを耳にしたけど、まさにそんな感じで、短い話でも、読者の気持ちを鷲掴かみ、加えて未来へ向けてのメッセージも感じられ、読後はしっかり満足感が得られます。

 

生きているといろいろな形で大切な人との別れがやって来る。本書はそんな別れと喪失感からどう歩き出すか...といったテーマがあるように思える。

 

双子姉妹の妹の死、母親の死、婚活アプリで知り合った恋人、両親の離婚等々、登場人物は私たちのすぐ近くにいる人々といった感じだ。

 

最近窪さんの作品を読んでいて特に良いな~って思うのは、少年を描いたもの。窪さん自身が男のお子さんを育てた経験があるからなのかな。少年の奥ゆかしさや健気さに触れるたび胸が締め付けられ、切ない気分になるんです。これまで窪さんが描く脇役の年配の女性に注目していたのだけど、最近は少年の描写にも、くぎ付けです。

 

 

 

本作の「星の随に」は、そんな健気な少年を描いた作品で、とても印象的でした。両親が離婚し、少年は新しいお母さんと赤ちゃん、そしてお父さんと暮らしている。新しいお母さんにいじめられるも、仕方ないと目をつむる。どちらの親のことも決して悪く思わないようにしている少年の話は、先へ行くほど切なくて切なくて。

 

特にかつてみんなで暮らしていた家に、今はひとり暮らしをしている生みの母親が住んでいる部屋を電車の窓から眺める少年の姿が本当に切なくってねぇ。本当はお母さんにまだまだ甘えたい年齢の少年。お母さんと暮らしたい、もっと会いたいって思っているけど、現実を考えるとそうはいかないということも彼なりに解っている。そんなもどかしさみたいなものにぐっとくる。

 

物語には辛い人々に寄り添うように星たちが登場する。どの話にもこの星たちの存在が明日への道しるべになっている、そんな輝きを放つ。

 

ということで、短編でも長編でも窪さんの作品の読後感はいつも共通するものがある。読み終わるといつも味わう感情。ぜひ、みなさんも一度この充足感を味わってみてください。

 

尚、王様のブランチで受賞された窪さんへのインタビューが放送されました。

その時の様子はこちらです。

matome.readingkbird.com

 

【つなぐ本】本は本をつれて来る

*窪さんからのおすすめ作品

窪さんがツイッターで呟かれていました。

「夜に星を放つ」が好きな方は下記3冊もおすすめですと。

www.readingkbird.com

 

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