世界のかわいい民族衣装:上羽陽子/国立民族博物館のレビューです。
☞読書ポイント
その布、どこのもの?
海外旅行に行くと欲しくなる布もの。現地で見るとやたら欲しくなるのですが、日本に持ち帰りあらためて品物も見ると、どう使うか結構持て余すことが多い。発色が綺麗だったり、柄が素敵だったり、刺繍の可愛さについつい手が伸びてしまうのですが、使いこなすには、なかなか道のりは長そうである。
そんな布もの。やはり持て余した方が多いのか、バザーやフリマに行くと綺麗な状態のまま出品されている。おそらくお土産でもらったり、私みたいに買ったはいいけど使いこなせないままタンスの肥やしになってしまったのでしょう。
それをまた買ってしまうわたし(苦笑)まぁそれはもうしょうがないとして、問題はそれらの布はどこの国のものか不明なことが多い。タグが付いていると助かるのですが、そうでないハンドメイド的なものは「たぶん、アジア系」とかになってしまう。
ということで、一度こういった謎を解明しておきたいと思っていたところに出会ったのが本書。本を開くと「まぁーー、鮮やか!」と声が出たほど、賑やかな雰囲気が漂っている。
ヨーロッパ、西アジア・アフリカ、オセアニア、アメリカ、アジアの中から44の国と地域の約65種類の衣装を掲載しています。
写真メインの本なので一目でそのかわいらしさが伝わってくる。見覚えのある文様や刺繍などにうっとり、ページをめくるごとに自分の目がキラキラしていく感じがした。当然、気候や信仰などにより各地域の特徴があるのだけれども、そういうことを抜きにしてひたすら「かわいさ」にうつつを抜かした状態になりました。やっぱり刺繍、レース、ビーズは可愛らしを表現するのに最強なアイテムですな。
意外だったのはオランダの木靴。海より低い湿地が多いオランダは、水に弱い革や布に代わり、防水効果の高い木靴が生まれたとか。農家で今でも安全靴として使われているそう。わたしはてっきり民族衣装の装飾靴とばかり思っていたのですが、ちゃんとした理由がある機能を備えた靴ってことだったんですね。
エストニア界隈は可愛いものの宝庫!
ミトンの可愛さよ!刺繍が施された靴の可愛さよ!
でも、もし自分の手元にこれらがあっても、やはりもったいなくて使えないだろうなぁ。結局持て余すのであろう(笑)
というか、本気で国立民族博物館は一度訪れたいものだ。いっつも面白そうな催し物をやっている。近くにあったら入り浸りしそう(笑)
【つなぐ本】本は本をつれて来る
ファッションの歴史は、自分の歴史を振り返るのと似ている。よくあんな服着てたなぁ....なんて思い出しながら、若き日を振り返るのも楽しい。