結婚させる家:桂望実著のレビューです。
☞読書ポイント
40代上の婚活、これはこれでまたハードルが高い
年頃の娘や息子を「結婚させる」ことに躍起になる家族の話かと思ったけどそうではなく、結婚情報サービスの会社でお付き合いを決めたカップルが、結婚前に一緒に生活をしてみるという試み、まぁ、あれです、お試し同棲を描いた作品でした。
お付き合いしているだけでは見えない相手の部分。一緒に生活することは、良くも悪くも様々な「意外」が発見でき、この先家族になれるかどうか見極められる。そういう意味では非常に合理的なシステムではあるのだが....。
同居先は結婚情報サービスの会社が用意した家。お声のかかったカップルは、大邸宅「M屋敷」に滞在をする。部屋数もたっぷりあるので親や連れ子なども同居可。一緒に生活を共にすることによって、より一層現実的な生活を送ることが可能になる。
このシステム、40歳以上限定ということもあって、初婚とは限らず様々な事情を経てお見合いに挑んでいる人が多い。そんな彼女、彼ら、そして運営側の人々の私的な話を取り入れながらカップル成立を目指す。
想像通り、40代、50代の結婚となると、自分たち二人だけの結婚というわけにはいかない。再婚の場合は子供がいたり、この年代になると親の介護の心配もあり、両家の現状を考慮しなければならない。そこに加えて、個々のこれまで培われた生活習慣などの違いなどが見えてきて、どこまで相手を許容できるかなどの問題もある。
また、プロフィールだけでは解らない過去について。ひとりひとりの人生を掘り下げていくと、かなりいろいろなことを抱えていたり、苦労があったりする。それゆえに、必ずしも再婚することがベストな道とは限らない。....ということなどを、相談員とともに私たちも学び実感する。
マッチングして結婚したとしたしても、また離婚してしまうケースなど、本当に難しいなぁと感じました。まぁ、この年代なら、適齢期などの焦りやプレッシャーもないわけだから、ゆっくり、無理せず、そして、すこしだけ譲り合う気持ちを互いに持てる相手がベストなんじゃないかな。詰まるところ、「結婚」にこだわることなく、無理なく一緒にいられる相手が理想形なのかも...なんてことを考えました。
【つなぐ本】本は本をつれて来る
こちらは30代のお見合い。仕事、出産、こちらも課題山盛り。切羽詰まった婚活はいかに?