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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】しつこくわるい食べもの:千早茜

 

 

しつこくわるい食べもの:千早茜著のレビューです。

 

☞読書ポイント 

東京に引っ越して来てますます美味しいものを食べる生活に拍車がかかって来た感じがする千早さん。「食べ物のこと」だけではなく、「食べること」そのものについて綴られる。千早さんの食にまつわる話がまるまる一冊に。

 

しつこく わるい食べもの

しつこく わるい食べもの

  • 作者:千早 茜
  • 発売日: 2021/02/26
  • メディア: 単行本
 

 

食に一途、好きなものはしつこく食べる

 

「しつこくわるい食べもの」とは、味がちょっとしつこい食べもののことだと思ったけど、本書は同著の「わるい食べもの」の続編なので、おそらく「しつこいですが、2冊目ですよ」的な意味かな。これはもうシリーズ化決定?千早さんの定番グルメエッセイになって行くのかな?と感じます。

 

前回分のリンクを貼ったついでに自分のレビューを読み返し、今回のエッセイと比べてみた。「本書は生粋のグルメ本ではない。どちらかと言うと食にまつわる自分語り的なものだ。」と記してあった。今回も千早さんの過去や日常を絡めながら、たくさんの食にまつわる話が綴られている。

 

ここのところ小説の方で賞を受賞されたり、新刊もバンバン出されている。まさに乗りに乗っている旬の作家と思わされる千早さん。そのわりにTwitterでは相変わらず美味しそうな画像が流れて来るし、お住いの京都に居たかと思いきや、いつの間にか他の県に移動、そして夜にはもう家にいるなんてことが結構ある。

(これを書いただいぶ後に知ったのですが、お住まいを東京に移され、一人暮らしを始めたという記事をネットで見ました。旅だけでなく、引っ越しまでも「いつの間に~~」な千早さん。移動の達人!)

 

執筆活動のことについてはTwitterでほとんど呟かれないので、いつも幸せそうに食べている人というイメージしかない。一体いつ作品を書き上げているのだろう?大量の原稿と向かい合っているはずなのに、いつも涼しい顔している千早さんは超人だなぁと感じずにはいられません。

 

 

 

さて、前回と比べてみて感じたのは、今回は「読みやすかった」ということ。前回はちょっと尖っている文章を読むのにだんだん疲れを感じていったのですが、今回はどのエッセイも自然に頭の中に入って来たといった印象。とにかく好きなものに対するまっすぐな思いや姿勢は真似できないものがある。特にパフェに対する千早さん、ちょっとスゴイよ。

 

麺類がうまくすすれない話なんかは、まさに帰国子女っぽい話ではあるけど、ご家族はすすれるみたいなオチも面白い。また料理した人に「ね、おいしいでしょう」って言われると途端においしくなくなる、など、ちょっとした頑固さみたいなものが伝わって来る。

 

とにかく「食」に関することに一途で真面目なんだなと思う。だから自分で感じたことが一番で、強要されるような問いかけに答えるのは苦痛でしょうがないのでしょう。確かに「おいしいでしょ?」って聞かれたら「不味い」とは言えなくなるものね。

 

ということで、今回も「これ、食べたい!」っていうグルメ本にありがちな感想はほとんどない。やはりどちらかというと千早さんの生活や考え方の方に引き付けられた。むしろその方が読者として楽しめる、という域に達した感がある。

 

それにしてもこれだけ好きなモノを自由に食べる生活が羨ましい。だって千早さん、太ってないですよねぇ。本をいつ書いているの?っていうのも謎だけど、あれだけ食べてなぜ太らない?というのが目下のところ最大の謎.....と感じながら本を閉じた。

 

【つなぐ本】本は本をつれて来る

*高カロリーにご注意を!
わるい食べものから、禁断の食べものへ。見たらきっと食べたくなる!?この高カロリーな食べものたちの誘惑に勝てるか?食べ物と勝負の一冊(笑)

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