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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】ポップス歌手の耐えられない軽さ:桑田佳祐

 

 

ポップス歌手の耐えられない軽さ:桑田佳祐著のレビューです。

 

 

☞読書ポイント 

 SASの桑田佳祐を知りたい。両親やお姉さんはどんな方?どんな風に育ったのか。湘南と桑田佳祐。青学時代の桑田佳祐。原由子さんとの出会いを含めた学生バンド。芸能界での交流関係。大物スターとの秘話。そして、どんな話も常に頭の中に「音楽」がある桑田佳祐氏の日常。知っているようで知らないことが盛りだくさんな一冊。

 

桑田佳祐は音楽で出来ている

 

この数日この本と、いや、桑田さんとサシで話をしている気分だった。感覚的にはラジオを聴いているのに似ているけど、もっと近くで語られているようなそんな時間だった。

 

SASの歌はわたしも漏れなく好きな一人だし、ずっと聴いて来た。特に学生時代、アホみたいに湘南に毎週出かけていた。そのころ海に近づくと必ずSASの曲を流していたし、大声で歌いながら仲間と旅をしたこともあった。部屋でもSASを聴くのは日常であった。

 

しかし桑田さんやSASのことって、歌以外は知らないことが多い。普通ファンならそれなりにいろいろ知っていてもおかしくないはずなのに、SASに限っては純粋に音楽だけのお付き合いでここまで来た感じがする。もちろん桑田さんが茅ヶ崎出身とか、青学でのバンドをやっていたことなどの一般的な情報は知っていたけど、桑田さんご自身のおいたちとか、家族と過ごす日常を知ることはなかったんだなぁ....と本書を読んで改めて気づいた。

 

本書は桑田氏が「頭もアソコも元気なうちに、言いたいことを言っておきたい!」と、週刊文春に連載されたエッセイ。66の話を集めたものになります。コロナ禍での約1年半、これまでの音楽活動を振り返りながら桑田さんの様々な思いが綴られている。

 

話しかけるような文章。なんて言うか、桑田節炸裂で、文章なのになぜかリズムを感じるのは気のせいだろうか。文字を追えば追うで、SASの歌詞が被って来る感じがするのも気のせいだろうか。そのくらい雰囲気が桑田さんの曲みたいな文章なんです。

 

 

 

 

内容はとにかく音楽、音楽、音楽!!なのです。どれも本当に興味深い話です。桑田さんが上手いと思っている歌手はだれか?など、好奇心を刺激される話も。また、大物(桑田さんも今では十分大物ですが)と対面した時の話とか、他の人の曲を作ることことか(聖子ちゃんの曲を作りたかったとかね)、原由子さんとの出会いの話とか、桑田さんが見に行ったライブの話とか、とにかく本当にいろーんな「音楽」まわりの話が書かれています。ミュージシャン同士の距離感もちょこちょこ垣間見れ、そのあたりも面白い。

 

もうね、この人「音楽変態」だよってくらい、桑田さんは音楽で出来ているんだなって、本を開くたんびに思いました。寝言でも歌ってそうって思ってしまうほど(笑)

 

また、昭和から今日までの音楽史を振り返る感じもあり、「あの頃の音楽」がとても懐かしくもあり、もう2度と戻れない寂しさもありで、この本はいろんな感情を呼び覚ます不思議な一冊でもあった。

 

綾瀬はるかさんと一緒に出てるユニクロのCMあたりまでノンストップで音楽の話をしゃべり倒す。コロナ禍でライブが出来ないままならない日々を過ごしているものの、「おそらく、一生音楽人宣言」と、このエッセイを締めくくっている。65歳の桑田さん、まだまだ意欲的です。読者として嬉しい言葉を聞けました。

 

そして、あとがきは「女房の日記」ということで原由子さんが登場!桑田さんの執筆してた頃の話がそっと語られる。数ページですがとても良い話でした。(ほんとはもっと読みたい)

 

530ページ、結構なボリュームで最初見たときは「えーこんなにあるの?」って思ったけど、読み始めるとあっという間でした。とにかく、音楽、音楽、寝ても覚めても音楽。それが桑田佳祐なのだ。

 

個人的には若い時より今のほうが桑田さんの声が染み入るなぁと感じるようになった。なんでだろうねぇ。そして、今も変わらず元気をもらっている。音楽の力をこれからもジャンジャン放出しちゃってください!

 

【つなぐ本】本は本をつれて来る

*昭和の歌謡曲といえばこの番組
毎週この番組を楽しみにしていた人は多かった。今でも久米さんと黒柳さんの声が耳に残っています。今となってはとんでもない舞台セットが登場しましたが、あれはあれでものすごく楽しかったですね。もちろんSASも常連さんでした。

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