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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】李王家の縁談:林真理子

 

 

李王家の縁談:林真理子著のレビューです。

 

 

☞読書ポイント 

皇室の結婚 華族・皇族に興味がある 朝鮮王族 李王家 昔と現在の皇室の結婚を知りたい

 

 

【感想】娘の結婚は母にとっての大仕事

 

皇族、華族の結婚の在り方がどうだったのかを描いた小説。ちょうど眞子さんのご結婚と重なるようなタイミングでの新刊だったので、今と昔を比べてみると、重なる部分もあったりして、とにかく「大変だなぁ」とため息が出てしまう。

 

主人公は佐賀藩主であった鍋島直大侯爵の次女の梨本宮妃伊都子(いつこ)。美しい容姿の才媛として知られている。その伊都子が娘たちの結婚に苦悩する様子を描いた小説です。

 

それほど複雑ではないのかもしれないのですが、欲を言えば何故に家系図を載せてくれなかったかのか。いろいろな人が一気に登場してくると途端に小説に集中できなくなる。わたしのような者にとっては、あちこちから新しい名前が出て来るたびに、「あぁーもぅーー」となってしまう。

 

日本の話だけならまだしも、娘を朝鮮最後の王朝李王家に嫁がせることになったため、そちらの状況も加わるので、ますます「家系図がーー相関図をーーー」と叫びたくなるという始末。

 

 

 

 

それはそうと娘をどこに嫁がせるか、母親である伊都子の執念はかなりのもの。このエネルギーは一体どこから湧いてくるのだろうと感心してしまうほど奔走する。結婚したあとも出産や夫婦仲等、何かと問題は続く。それでもなんとか娘たちを奮い立たせようとあれこれ世話を焼く伊都子。とにかく皇族という特別な世界に生きる人々の暮らしはわたしたちのそれとは大きく異なるということが解る。

 

李王家の縁談とは、主に長女・方子と朝鮮王族の李垠(イウン)氏との縁談のことですが、次女の規子や、李垠の妹の徳恵(トケ)の縁談、他にもたくさんの縁談が加わります。それぞれの婚姻の舞台裏には一体どのような事情が含まれていたのか?知れば知るほど様々な苦労が窺えます。ましてや国と国の関係をある意味担った結婚ともなれば、その苦労は計り知れない。

 

伊都子の判断は果たして実を結んだのか。娘たちの結婚が「幸せな結婚」であるかどうかは、母親の通信簿のようなもののようにわたしには感じた。

 

明治・大正、昭和。戦争を含め、移り行く皇室の世界を覗ける本書は、現・上皇后美智子様を迎えるところで終わっている。

 

ということで、題材的にはとても面白いものではあるけれど、相関図がない分、それがなくても解るようにもう少し丁寧に説明を加えて欲しかったかなぁ~。突如名前が出てくると本当に読みにくい。わたしのように登場人物が混乱しがちな方は、事前に「梨本宮妃伊都子」まわりの相関図などを見ておくことをお勧めしておきます。

 

さて、本書にはちょこちょこと写真が出てくるのですが、ぼわ~~としてちょっと見にくかったので、読後に登場人物のお顔を画像検索してみた。徳恵と結婚した宗武志氏の整った小顔が印象的。結婚当初の写真を見ながら、この結婚も苦労が多いものになってしまったんだなぁ~としみじみ。.....という検索を新年早々にしていたわたしです(笑)

【つなぐ本】本は本をつれて来る

 食べる側も召し上がる陛下もいろいろ大変なのです!