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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】日本列島地名の謎を解く:谷川彰英

 

 

日本列島地名の謎を解く:谷川彰英著のレビューです。

 

(「本が好き!」の献本書評です)

 

地名からその土地に刻まれた歴史を知る

 

「ええーー次はーなんじゃい、なんじゃいです」
 
こんな車内アナウンスが聞こえてきたら、「え、今、なんつった?」と、わたしの頭の中は「なんじゃい、なんじゃい?なんじゃいって、一体なんじゃい?」とせわしなくなるに違いない。(って、おやじギャグモード全開失礼しました)


ということで、地名って楽しいですよね。自分の住んでいるところの地名の由来が気になって調べたことがある方も多いと思います。なんらかの理由からつけられたことの多い地名。それらを知ると納得いくことが多い。ことに自然災害が多くなってきてからは、地名が気になるようになりました。
 

前置きが長くなりましたが、このなんらかの理由があってつけられた地名の数々が覗けるのが本書。日本全国、面白い地名が続々と登場する。各章、テーマに沿った地名に分類され、写真も掲載。全体的に読み易い感じではあるのですが、ものによっては歴史を深掘りしているので、一気にお勉強モードになったりする。
 

そうかと思えば、秋田県の乳頭温泉に浸かりながら「乳頭山」について地元の古老に、

「乳頭って何歳くらいの女性の乳頭なんでしょう?」
すると古老は、
「20歳ぐらいだべがな」と答えてくれた。

 

....なんて、「うわっ」な会話が飛び出す。いや、谷川さん、本当、まじめに訊ねているんですけどね。強い探求心ゆえに妙な質問をしてしまうという人間味を感じる場面も。この質問に普通に答えた古老も面白いな。
 

 

 

 

個人的に印象的だったのは、北海道の「幸福駅」。
流行りましたよねぇ。小学校の時、友達からのお土産でこの駅の厚紙のリアル切符をもらい、長い間大事にしまっていました。「幸福」の「幸」は何の疑いもなく「幸せ」であるとばかり思っていたけど、元は「幸震」(きつない)からだったそう。
 

では「福」は?これは「福井の福」とのこと。明治時代、福井県の人々が大勢この地に移住しに来たことによるらしいのです。ということで、二つのものが合わさって「幸福」になったと。そんな由来があったとは夢にも思わなかったわたし。今になって「幸福駅」の由来を知ったわけだけど、あの切符をもらった時の喜びは確かに「幸福」だったと思う。うーん、地名や駅名っていろんな思い出を運んでくるもんだなぁ。
 

「読めなーい」「変なの」などの地名がたくさんありました。面白がって読んでいましたが、テストされたらまた「読めず」となる地名ばかり(笑)そういえば、東北道の「安達太良」は載ってなかったなぁ。「あだちふとよし」と声に出して読んだ自分がアホすぎて悲しい思い出になっている。
 

さて、冒頭に書いた「なんじゃい」は、漢字で書くと「南蛇井」だそう。群馬県の富岡市にあるとのことです。