ひとり老後、賢く楽しむ:岸本葉子著のレビューです。
まずは数年先のことを考えよう!
老後のことは、話題が上がるたびに「元気があるうちに色々準備しておくべきだなあ」と考えるものの、「まだまだ先のことだし、その時になったら....」と、先送りしてしまう。本当は気持ちの余裕があるうちに準備すればいいのだけれど、なんとなく今は親の老後のことがまず一番、自分の老後はそのあと、的な考えがある。親は親で「あなたが老人になるころは、また色々状況も変わっているはずだから、極端に焦ることはないんじゃない~」なんてことを言う。「そうだよね」と、一旦またこの問題はしまってしまう。
しかしながら常に頭の片隅にある「老後のこと」。お金、健康、生活、そして死後。あー分かっちゃいるけど気が重い!一体、いつまでにどのくらいのことをしておくべきなのか?本書はそんな悩みに対するヒントが書かれている。
「ひとり老後」、これはシングル世帯に限ったものではない。これからは未婚率も上がるし、子供がいたって老後に面倒をみてもらえるとは限らない。夫婦のどちらかが必ず先立つわけだから、その時からシングルになる人も多い。近い将来はむしろシングル世帯が大半を占めて来るのではないかな。ということで、誰にとっても身近なテーマであることは確かです。
本書は岸本さんの話だけではなく、一般の人々の事例なども集め、リアルな現実を検証。色々な例を自分にあてはめては考えて、ピンと来るものだけを心に留めておこうというスタンスで読み進めました。(岸本さんは、持ち家&家賃収入があり、資金面でも結構恵まれているケースだと思います。)
そして出た一番の結論は、
「今から数年先」だけ、具体的に考える。
先々は変わり得る。想像しきれない部分もあるというスタンスを併せ持っておく。
これですね。なにも考えずにいるのも不安。でも、あまり長いスパンで計画しても、10年後の自分は、今考えている自分の姿とは違う事だって大いにあり得る。コロナが出現して、なおさら明日はどうなるか分からない、余計に明日が見えなくなりました。
ということで、本を読んで漠然とした不安が拭えたか?と言われれば答えはNO。でも、解決まではいかないけど、お金について一度プロに相談しておくとか、これからの人付き合いの在り方など、心に留めておく程度にはなりました。まぁ、考え過ぎてストレス溜めてしまうのも疲れますものね。あくまでも数年先を考えながら、一つずつ不安を取り除いていくしかないのかなと。
それにしてもこの本、図書館で借りるのに半年以上も待った。私の後にも100人以上の人が予約待ちしているようです。みなさん、明るい老後を望む反面、不安も多いのだろうなぁと、この人数を見て感じました。