Web Analytics Made Easy - StatCounter

うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】生命式:村田紗耶香

 

 

生命式:村田紗耶香著のレビューです。

生命式

生命式

 

 

 その衝撃たるや!いろんな意味で世界が覆される村田ワールド

 

 村田紗耶香さん、ほんとうにいろんな意味でドキドキさせられる作家さん。今回も読書開始数分後に「来た!」と実感できる内容でして、その驚きったらない。思わすその部分を2度読み、いや、3度読みはした。なんていうのか、いきなり深い穴に後ろから突き落とされたような....そんな激しい衝撃がやって来るのである。

 

しかしまぁ、どうしたらこんなことが想像できるのか。村田さんご本人はおっとりした雰囲気で、およそこんな世界を生み出す方には思えない。作品と村田さんの間にあるギャップはかなりのもの。例えはあれなんですけど、よく犯人の印象を問われて「そんなことするような人に見えなかった」って答えてるご近所さんがいるじゃないですか。村田さんってまさにそんな感じなんですよね。「あんなこと書くような人に見えない」ってね。

 

 

 

本作は短編集。特に衝撃的な話は最初の2編。その異常とも言える世界は、読んで実感していただきたいのでここではあえて書かないけれども、とてもグロテスクでもあり、ホラーっちっくでもあり、気分が悪くなる内容であるのです。でも、読んでいるうちにあちらの世界の方が実は普通で、もしかしたら自分の持っている常識とか価値観は「違う」のかもしれない?ということを考えはじめてしまった。

 

極端な世界を見せつけられたからこそ、なにが正解なのか?と、逆に深く考えるという結果になった本当に不思議な小説です。

 

いろんな意味で今いる世界が覆される村田ワールド。内容を思い出すとムカムカ(気持ちの悪さのムカムカ)してくるくらい体に影響を与える小説であった。

 

この先村田さんはどんな方向に進んでいくのだろうと、えらく気になって来る。ここ最近の作家のなかで、もっともぶっ飛んだ小説を書かれる方。この状態がどこまで続くのか、いろんな意味で目が離せなくなりました。ほんと村田さん、良い意味でですよ、恐ろしい作家です。

 

ということで、結構ハードな作品です。好奇心旺盛なかた、刺激的な小説をお求めの方向きです。最後まで読めることをお祈りします(笑)