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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー・感想・あらすじ】向こう側の、ヨーコ:真梨幸子

 

 

 向こう側の、ヨーコ:真梨幸子著のレビューです。

 

感想・あらすじ どこかで誰かが貴女を見て羨んでいる

 

やあ、、、完全に途中で迷子になった作品です。まずは内容を紹介。

 

一九七四年生まれの二人の「陽子」。恋愛小説家として成功した陽子は、幼い頃から、自分が辿るはずだったかわいそうな運命を生きるヨーコの夢を見ていた。一方、夫と一人息子と共に暮らす陽子は、決して贅沢のできない毎日に嫌気がさしていた。家も、職業も、生活も、全てが異なる二人の人生は絶対に交わることはなかったが――。瞬く間に世界が狂い出す、イヤミス最高傑作!━━Amazonより

 

頭ではこの二人の陽子の世界を描いているということは理解してるつもりではいたのだけれども、この物語の複雑さは、周りにいる人々も同じ名前の人物だったりするので、途中からなんだかゴチャゴチャしちゃって「あれれれれ~~~」と混乱。頭の中を整理をする間もなく、ついつい読み進めてしまうので、結局、収集がつかぬままラストへ突入してしまいました。

 

 

 

二つの世界はA面とB面という形で交互に描かれ、時間も並行して進んでゆく。これらの一つずつの話は、女性の妬み嫉みなどのドロドロした感情がたっぷり盛り込まれているのと、グロやミステリ要素も徐々に高まって行くので、どんどん読んでしまう。

 

しかし、ちょっと時間を空けて続きを読むと、テンポが狂うというのか、どっちがどっちで、なにがどうなっているのか、訳がわからなくなっている自分が居る。それでも、なんだか先を知りたくて読み進めた。これが今回の敗因。

 

本書はまず一気に読まなければならぬ。(※これはわたしの場合です)

複雑な構造を持つ小説、紛らわしい登場人物の名前。もう、苦手てんこ盛りじゃん!(苦笑)いつも以上に慎重に集中して読まなければならなかったんだな。

 

 

 

 

ということで内容を理解し、堪能するまではとてもいかなかった。でも、解からないなりに普通に愉しめてしまったという不思議な作品。後半はどんどん人が亡くなっていくし、犯人は誰なのか、二転三転するし。そしてラストはまったく予測できなかったことが起って「えーそこかぁ!」となるし。

 

そうそう、このゴチャゴチャしちゃった頭の中をどうしてくれる?と思っていたら、最後のページに<主な登場人物>の一覧が!ニクイねぇ!ゆっくり人々の名前を見て頭の中をクールダウン。なんとなく整理されたような気分にはなれたけれども、やはり燃焼までは程遠い。ふぅ。

 

ただね、もしかしたら、自分では羨ましがられる要素なんてまるでないと思っていても、どこかで誰かが貴女を見て羨んでいる。そんなことがあるかもしれない。それらの感情は、時に怖ろしいものに変化する。そんな怖さを感じた作品でもありました。

 

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