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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー】今日ヤバイ屋台に行ってきた インドでメシ食って人生大逆転した男の物語:坪和寛久

 

 

 今日ヤバイ屋台に行ってきた:坪和寛久著のレビューです。

 

調理器具には「思い出」がいっぱい!?

 

ちょっとガチャガチャしているけれども、いかにもインドっぽい表紙。現在コロナで大変深刻な状況のインドだけれども、本のなかのインドは当たり前だけど私たちがよく目にする混沌としたインドだ。表紙のテンションがそのまま本の内容に反映されている、というか、ある意味表紙以上の迫力のインドがここにある。

 

とにかく賑やか!

一応グルメ本?なんだけれども、料理周りは常に人が群がっているし、なにかのマジックショーを見ているような調理過程が目を引く。棚を炒めるほどの火柱が上がっていたり、謎の赤いものが大量に投入されていたり、ぶらさがっているチキンはのれんの如く(笑)

 

料理が出来上がるまでハラハラする感じがたまりません。ちゃんと調理器具を洗わないで次の調理を行うものだから、いろんな味を引き連れて行く。でも、そんなことは誰も気にしません。著者はこれを「思い出」と言っている。

 

インドと言えばカレーだけれども、カレー以外のものもたくさん登場した。なかにはチョコレートラーメンとか、ヤギをまる一匹使った料理とか変わり種も。

 

 

 

本書はこういう料理があります、食べました的な本ではなく、どちらかと言うと、調理法と調理する人々にスポットを当てている。また、箸休め的にコラムが挟み込まれている。「散髪屋」とか「洗濯場」と言った生活情報が書かれている。こちらも面白い。

 

さて、出来上がった料理はどうなのか?製造過程を見ていると食欲が減退する感じなんですけど、出来上がりを見ると........悔しいけど「美味しそう!!」となる。まさにマジック。そして、手間がかかった料理なのに安いこと!

 

今回なによりもほんわかさせられたのは、インド人のフレンドリーな雰囲気。特に著者の坪和さんと料理人のカーンさんの交流はなによりも微笑ましい。言葉が通じないにも関わらず「前世は兄弟」と坪和さんは言う。早くコロナが収束して、再会できるといいですねぇ。

 

火事っぽく火がボーボー立ち上り、大雑把で、ちょっと不衛生で、謎なものがいっぱいで、何ができるか不安だけれども、結果、笑顔になれるインド屋台料理。

 

一風変わったグルメな本。インドの音楽を流しながら読めば、最高にインド感が味わえると思います(笑)