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*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【レビュー・あらすじ・感想】モンスターU子の嘘: 越智月子

 

 

モンスターU子の嘘: 越智月子著のレビューです。

 

モンスターU子の嘘

モンスターU子の嘘

 

 

感想 モンスターってなに? 

 

帯の文から、ドロンドロンとしたものを想像し、どっぷりその雰囲気に浸かってみようと積んでいた本の中からチョイス。昭和の女の事件簿的な小説かな?と期待!

 

しかしですね、、読んでも読んでもそれほど濃ゆい展開にならず、「やだ、私、こういう話にスレ切ってしまって、感覚が麻痺しちゃったのかなぁ」と思ってしまったほど。

 

あらすじ

昭和63年。ゲーム機賭博で数億円の荒稼ぎをしていた赤坂の喫茶店経営・石山詩子が、常習賭博の現行犯で逮捕された。フリーライターの蒲田は拘置所で詩子と面会する。旧友で亡くなった刑事の寺本から「あの人のことを頼む」と懇願されていた。家庭を壊し、刑事という立場も顧みずして死の直前まで意識野にのぼらせ続けた女は、一方、寺本のことなどまったく意に介す様子を見せなかった。腑に落ちない蒲田は詩子の娘で小学生の音子に会い「自分の本当の父親を探してくれ」と依頼される。巻き込まれるように蒲田は政治・経済・宗教法人・暴力団関係の中枢をになう人物たちと会う羽目になり、詩子との不可思議な関係を目の当たりにしていく。年号が改まった平成元年。獄中にいた詩子は、ある計画を実行に移す――。

Amazonより

 

モンスターと言うから、それはそれは化け物的な何かを持つ女かと思ったのですが、その惹き付けられる要素が彼女に無いのが最大の残念ポイント。良くも悪くも謎の人物をもっともっと特徴を持たせてもらわないとなぁ。途中から詩子とその娘の音子、どっちが主になって来るのかしら?と、思ってみたりしたけれども、やはりどっちも中途半端。

 

 

 

結局、この女のどこに凄みがあるのか?モンスターって?と、疑問ばかりが残り、わたしにはさっぱり理解できない内容でありました。

 

極悪でも人を惹き付け、魅力ある人物を描くって本当に難しそう。核心へ持ってゆくまでの吸引力がないとね。そういう意味でも、詩子という人物にさほど心を動かされなかったのが、私的にはイマイチだったのだなぁと感じました。魔性とか、悪女とか、カリスマとか、どれもピンと来なかったな。

 

この小説、むしろ女子刑務所内の生活ぶりのほうが面白かったな。あと、娘の音子はその後どうなったのか?等々、詩子以外の話ももう少し膨らまして欲しかった。

 

ということで、ちょっと愚痴っぽいレビューでした。越智さんは、サンデー毎日の契約記者だったそう。こういう事件性のある小説をこれから書かれていくのかな。たくさん引き出しがありそうなので、今後を期待します。