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うずまきぐ~るぐる 

*** 新しい本との出合いがきっとある★書評ブログ ****

【ひるまえほっと・中江有里のブックレビュー】2021年2月8日放送分

 

 

NHKの「ひるまえほっと」内で、女優・作家である中江有里さんが紹介した本を掲載。

番組内のコメントや私のコメントを添えて掲載しています。

 

番組コーナー紹介文

月に一度のブックレビューです。案内人は女優で作家の中江有里さん。年間300冊の本を読む中江さんが、幅広いジャンルからご紹介。あなたも夢中になれる1冊に出会えますよ!

 

 

今日のテーマは「今を力強くヒント」です。

 

読書のちから:若松英輔

読書のちから

読書のちから

  • 作者:若松 英輔
  • 発売日: 2020/11/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

中江さん:

 私も本を読むときは、対話をしているなって感じることがあるので、この本を読んでいてすごく感覚が似ているなと思った。やはり読書ってただ文字を追って行くだけではなくて、自分がその書かれていることにどう感じたかを言葉にしていくこともまた読書なんですね。

若松さんご自身が悩まれたり、悲しいことがあったりしたときに手に取った本を紹介しながら、心に響いた一節であったり、それをどういう風に読んで、どう感じたかが書かれている。これが若松さんの読書との対話の本だと思います。

 

 

 (ここで若松さんによる「良書誕生の条件」を紹介)

 

中江さん:

私いつも本って友達みたいだなぁって思っているんですけど、まさしく人との出会いとおんなじでね、友達とか伴侶とかパートナー、自分にとっていい人が、誰かにとっていい人とは限らない。自分にとっての良書は貴方にとっての良書とは違う、やっぱそれは相性みたいなものがある。私もご本を紹介する時、みなさんのこと、実はわからないんだけど、自分にとってこの友だちはとっても素敵な人ですよって紹介するような気持ちで本を選んでいます。

 

中江さん:

なによりも言葉が自分を救ってくれる瞬間ってあるなって思います。今、お辛い気持ちとか、一人で淋しい気持ちを抱えている方には、是非、本と対話することをお勧めします。自分を支えてくれる良書であったり言葉であったり、出会う可能性が出て来ます。コロナ禍だからこそ、この本が沁み入ると感じます。

 

 ■内容

「よき書物」と出会う―恩師・井上洋治、遠藤周作、須賀敦子、神谷美恵子、池田晶子、柳宗悦…著者自身の「危機」を救ってきた言葉を紹介し、「確かに生きる」ヒントを探る。知識ではなく、人生の手応えを与えてくれる「生涯の一冊」に出会うための方法も記す、読書をめぐるエッセイ集。━「BOOK]」データベースより

 

 若松さんの本はずーーっと注目しています。でも、自分が読むのは今じゃないって気持ちがあって、時期が来たら読もうと、心の中でかなり温めている作家さんのひとりです。この本も読みたいのですが、ご紹介された引用文からも、やはりもう少し先に読もうと思った次第です。読みたい本には「すぐ」と「時期が来たら」というものがあるということを改めて感じました。
 

 

 

 

 

神様には負けられない:山本幸久

神様には負けられない

神様には負けられない

  • 作者:幸久, 山本
  • 発売日: 2020/12/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 中江さん:

みんな自分の職業のことについては詳しいけど、他人の職業の悩みとか特性とかをあまり知らないですよね。そういうことを山本さんの小説で、いろんことを体感できるというか。今回は義肢装具士の卵、目指している方の成長物語。

 

義肢装具士って名前、なんとなく聞いたことがあるんだけれども、実際、ユーザーのこと、わたしはパラリンピックで知った。(義肢装具士は)すごく職人的なイメージが強かったんですけれども、実は一人一人の体、用途、オーダーメイドに応じると言う職業で、そして使う人のコミュニケーションっていうのが非常に大事にされるんです。そのことも知らなかったし、目指している方たちがどういった想いで仕事に取り組まれているか、また、義肢ユーザーの方のお気持ちというのも事細かに説明されていて、非常に沁み入るところがありました。

 

■内容

「えらいね」「人助けだね」って、違うよ。私たちは六角レンチで神様と勝負するんだ! 25歳で会社を辞め、義肢装具士の専門学校に飛び込んださえ子は、カスタムメイドの義足を作る実習に苦戦し絶賛ヘコみ中。年下の仲間達に助けられ、芸者やカメラマン、人力車夫など多彩な義肢ユーザーと出会い、垣間見えた自分なりの「バリアフリー」とは? 伸びしろ無限大の人生再スタートを応援する大人のお仕事小説誕生!━━━Amazonより

 

 義肢装具士という仕事。そうですねぇ、聞いたことはあるけれど、実際はどんなお仕事かは知らなかったりします。縁の下の力持ち、本当に大事な役目を果たしている職業なのだと思います。こういったお仕事小説からいろいろな仕事を見ることができるのも本のメリットのひとつですね。
 

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<感想>

先月はお休みでしたので 今年初めてのブックレビューでした。今回中江さん、リモートでの登場でした。いつもは3冊ご紹介いただけるのですが、本日は2冊。今年から2冊になってしまうのかなぁ...。

中江さんは孤独と読書の関係性をいつも大事にされ、その部分を最後にお話されていました。特に今、コロナ禍にいる私たちにとって、本は私たちに寄り添ってくれる頼もしくも優しくもある存在だと私も思います。

 

【過去のブックレビュー】
www.readingkbird.com